集団予防接種の注射器の使い回しによるB型肝炎患者・感染者が国を被告として損害賠償を求めた裁判です
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Q1.なぜ裁判を起こすのでしょうか
A1.B型肝炎は,血液を介して感染しますが,感染経路はきわめて限られています。そして,B型肝炎ウィルスに感染している方々の中には,原因がわからない方がたくさんいて,偏見や差別に苦しめられてきた方も少なくありませんでした。
北海道弁護団は,いろいろな状況から,国が乳幼児に強制的に受けさせていた集団予防接種が原因となっていると考え,平成元年に,国を相手に損害賠償を求める裁判を起こしました。裁判では,他に感染原因があるという国の主張が退けられ,最高裁判所で5人の原告全員に勝訴判決が下されました。
集団予防接種が原因でB 型肝炎ウィルスに感染することが明らかになったことで,全国に約120万人以上いるといわれるB 型肝炎患者・ウィルス感染者について,救済策がとられることが求められました。しかし,国は,原告にならなかったB 型肝炎感染者については,責任を認めようとはせず,救済対策を採ろうとはしませんでした。
このような国の態度が許されるはずはありません。私たちは,B型肝炎患者の方々が安心して治療を受けられる環境を整えさせるためには,全国で訴訟を起こし,それぞれの裁判で再度国の責任を認めさせるしかないと考え,裁判を起こすことにしたのです。
Q2.この訴訟は,集団予防接種によるB型肝炎感染者の個別救済だけが目的なのですか
A2.いいえ,そうではありません。
訴訟を起こした人への賠償だけではなく,肝炎患者が安心して治療をうけられる環境を整えることで,感染者の方々全体の救済を目指しています。
かつて行われていた集団予防接種での連続注射使用によって,多数の感染者が発生したことは明らかであるにもかかわらず,国は,実効性ある救済策をとってきませんでした。
この訴訟では,国にB型肝炎感染の法的責任を再び認めさせ,B型肝炎を含むウィルス性肝炎に対する治療体制を確立することを目指しています。
Q3.最高裁で判決が出された集団予防接種によるB型肝炎訴訟は,どれくらい前から裁判をやっていたのですか
A3.平成元年6月30日に,5人の原告が,札幌地方裁判所に対して訴えを提起しました。
Q4.被告は誰ですか
A4.国です。
Q5.いくら請求したのですか
A5.1000万円です。
Q6.なぜ国を相手に裁判を起こしたのですか
A6.原告は,単に損害賠償を求めるにとどまらず,肝炎患者が安心して治療を受けられる環境を整えて欲しいという思いを強く持っていました。そのため,集団予防接種の制度をつくり、さらに、感染の可能性を知りながら集団予防接種を継続してきた国,そのため,救済策を実現する法的義務を負う国の責任を明らかとするために被告としました。
Q7.判決はどうなりましたか
A7.平成16年1月16日に言い渡された札幌高等裁判所の判決では,原告全員につき集団予防接種と感染の因果関係が認められたものの,一部の原告の請求は,除斥期間(予防接種から時間が経ちすぎていたこと)を理由に棄却されました。これに対し,原告と国が両方とも上告し,平成18年6月16日,最高裁判所では、原告全員について勝訴判決が言い渡されました。
Q8.判決の具体的な内容を教えてください
A8.裁判所は,原告全員について,幼少のころにうけた集団予防接種が感染原因であると認め、国に対して一人550万円の損害賠償をするよう命じました。
Q9.裁判に参加するにはどうすればよいですか
A9.まず、A10の「B 型肝炎訴訟における提訴の条件について」をよく読んで下さい。その上で,できる範囲で原告別調査票に記入し,この手紙を送信した担当の弁護士に送って下さい。また,裁判を起こすために必要な書類は,皆さんに用意していただく必要がありますので,訴訟を提起したい方は,同封の医療照会書を医師に記入してもらい,同様に,担当弁護士宛送って下さい。
Q10.裁判に参加できる条件はなんですか
A10.裁判で国の責任を認めさせるためには,B型肝炎の感染原因が集団予防接種であることを証明しなければなりません。つまり,集団予防接種以外の感染の可能性を否定しなければなりません。最低限クリアしていなければならない条件は,以下のとおりです。
① B型肝炎ウィルスに持続感染していること
② 慢性B型肝炎等の発症から20年を経過していないこと
③ 集団予防接種を受けたこと
④ 昭和23年7月1日以降に集団予防接種を受けていること
⑤ 生年月日が昭和16年7月1日以降であること
⑥ 出生時にお母さんがB型肝炎ウィルスに持続感染していないこと
⑦ 満7歳になるまでに輸血を受けたことがないこと
なお,感染していることがわかってから20年が経過している場合には,時間が経ちすぎていることを理由に請求が認められない可能性が大きいと思われます。
しかし、それでも、国の誤った政策による被害者であることに変わりはありませんから、1人でも多くの方が参加されることが、国の重い腰を上げさせる力になると考えています。
Q11.いくら請求する予定ですか
A11.請求する金額は、B型肝炎ウイルスに感染している方、慢性肝炎を発症している方、肝硬変肝がんを発症している方、亡くなられた方によって以下の通り違う金額を請求することになります。
キャリアの方: 1650万円
慢性B型肝炎の方: 3300万円
肝硬変・肝ガン: 5500万円
死亡: 6600万円
Q12.実名を公表しないで裁判に参加することはできますか
A12.記載しなければなりませんが,公表する必要はありません。
Q13.裁判は個人個人で進めていくのですか
A13.訴訟を起こしただけでは,国を動かすことはできません。同じ思いを持つ者が団結して,粘り強く要求し続けることが不可欠です。そのため,今回訴訟を提起するにあたっても,原告団を組織して,国に対して実効的な救済策を作るよう活動していきたいと考えています。
Q14.裁判の日には裁判所に行かなければならないのですか
A14.なるべく来ていただきたいと思っていますが,裁判に参加される原告の方は,症状も家庭の事情も異なっていますので,それぞれの事情にあわせて,可能な範囲で参加していただければ結構です。
Q15.最高裁で判決が出ていますが,今後の見通しはどうですか
A15.訴訟で勝訴したといっても,国は,個人の事情に応じて徹底的に争ってくることが予想されます。決して楽な闘いではありません。
もっとも,私たちは,訴訟による個別救済だけではなく,実効的な救済策が作られることを強く求めていきます。そのため,私たちの希望に添った救済策を早急に作ってもらえるのであれば,個別救済を求める訴訟については長期間かけて闘うのではなく,譲歩することも考えています。
Q16.裁判に参加するにはどんな費用がかかりますか
A16.次のような費用がかかります。訴訟をすすめていくにあたっては,各地の弁護団,原告団と全国的に連絡をとりあう必要がありますので,それなりに費用がかかることはご了承下さい。
① 印紙代,郵便切手代等,裁判所に納める費用
② 弁護士費用
③ 原告団活動費(通信費用,コピー代等)
Q17.具体的にどの程度の費用が必要なのでしょうか
A17.A16.のうち,裁判所に納める費用(①)の負担をお願いいたします。
裁判所に納める費用のうち、印紙代は,請求する金額によって異なります。具体的な目安は,次のとおりです
(経済的な事情で負担が難しい場合には,実費を後払いにする訴訟救助という手続をとることができますので,弁護団にご相談下さい)。
1650万円を請求する場合 7万1000円
3300万円を請求する場合 11万9000円
5500万円を請求する場合 18万5000円
6600万円を請求する場合 21万8000円
また、裁判所に納める費用のうち、上記の印紙代については、訴訟救助決定が得られる見込みが少ない場合(原告自身の年収がおおむね400~500万円以上ある場合、何人家族かなどによって変動します)には、訴訟提起前に支払っていただく必要があります。
郵券代(1人で提訴する場合の額は、6000円)等につきましては、事件解決後にえられた解決金からの精算をお願い致します。ただし、解決金がえられなかった原告の方からは、実費は徴収しません。
原告団活動費については,2008年9月24日の原告団総会において、月額2000円程度となりました。これは、C型肝炎訴訟のように、原告団の中から国会要請や厚生労働省交渉等に参加する原告の旅費などに使用されます。
Q18.弁護士費用はどれくらいかかりますか
A18.弁護士費用は,一般的には依頼を受ける時点で頂く手間賃としての前払いの着手金と、勝訴や和解などにより、具体的な成果が出た場合にのみ後払いで頂く成功報酬の2種類があります。
今回の裁判を起こすにあたっては,弁護団は提訴時には着手金をいただきません。裁判が終了して最終的に損害賠償金が取得できた場合には,成功報酬を、取得できた金額の20%とさせていただきます。
Q19.訴訟救助を受けるためにはどのような資料が必要ですか
A19.原告自身の所得証明書または源泉徴収票等の収入に関する資料、不動産を所有しているかどうかなどの財産資料(自分で住むための不動産があるだけの場合には、訴訟救助は認められる可能性があります)などと、弁護団が作成する陳述書などが必要です。担当弁護士とよく相談して下さい。
Q20.裁判の進行状況は,どのようにして知ることができますか
A20.弁護団から,状況に応じて報告します。