全国B型肝炎九州訴訟弁護団|B型肝炎訴訟九州訴訟

集団予防接種の注射器の使い回しによるB型肝炎患者・感染者が国を被告として損害賠償を求めた裁判です

全国B型肝炎九州訴訟弁護団

福岡市西区姪の浜4丁目8番2号姪浜デイトス3階 姪浜法律事務所内
TEL(092)894-1781 FAX(092)894-1782

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門前集会

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記者会見での旗だし

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あいさつする谷口代表

今後の予定

9/ 4 12:00 天神街頭宣伝、

この日、全国一斉街頭宣伝(札幌、新潟、静岡、大阪、福岡)

9/ 6 14:00 九州訴訟弁論準備(非公開)
9/15 14:00 北海道訴訟弁論期日/14:30 同和解期日
9/16 12:00 厚生労働省前街頭宣伝

10/12 13:30 北海道訴訟和解期日
10/17 14:00 福岡で支援シンポ(この日、全国でシンポ)
10/26 13:30 北海道訴訟和解期日
11/ 1 11:00 九州訴訟第12回期日(301号法廷)

→ 傍聴支援をお願い致します。門前集会は10:00を予定

11/24 13:30 北海道訴訟和解期日
12/24 14:00 北海道訴訟和解期日

早期全面解決をめざす院内集会(2010.9.2)

 2010年9月2日14:00から、全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団は、参議院議員会館101会議室において、「B型肝炎訴訟の早期全面解決を求める集い」を開催しました。
 全国原告団代表谷口三枝子さんと、全国弁護団代表佐藤哲之弁護士の挨拶の後、参加されている議員の方々からご挨拶をいただきました(以下、発言順に)。

P1030115.jpg日本共産党の紙智子議員は、「3月の和解勧告から、原告の皆さんは、長い間待たれていた。国が全体像を示したと言っているわりには、内容がひどくて、がっかりされていると思う。キャリアの切り捨ても、除斥期間も、正義に反している。私も許せない気持ちだ。見直しをさせていくようがんばっていきます。」と述べられました。



P1030121.jpg自由民主党の加藤勝信議員は、「救済範囲を広げると、賠償額を減らさないといけないなどと言われているが、(予算の)総額ありきなのではないか。それでよいのか。因果関係に関する考え方も後退しているのではないか。国会で引き続き取り組んでいきたい。」と述べられました。



P1030127.jpg民主党の福田衣理子議員は、「B型肝炎問題の解決に全力を尽くさなければならない。年内に解決しなければならない。国の案は、原告さんたちの意見を受けて再度検討する余地のあるものであり、これ以上変わらないという案ではない。」と述べられました。



 民主党の柚木道義議員は、「しっかり詰めていく必要がある。母子手帳の代償をどうするのか。和解金をどうするのか。線引き無き救済を1人も漏らすことなくするためには、合理的金額をどうするのか、これをどう両立させるのか。国も予算をきめているだろうが、変わらないと言うことでもないだろうから、納得できる解決となるよう活動したい。除斥期間については、被害者が問題点を知るための努力を国がどうしてきたのか、という検証が必要。」と述べられました。

 社会民主党副幹事長中島隆利議員は、「肝炎被害者が救済されないで放置されている。党内では阿部先生がとりまとめておられる。全面救済のための活動が国会議員に求められている。一日も早く救済されるよう取り組んでいく。」と述べられました。

P1030131.jpg自由民主党の大村秀章議員は、「各党派の垣根をなくして解決に取り組んでいきたい。一日も早く和解協議を進めて解決を図るべきだと言い続けた。昨日の案も、原告さんのご意見を聞いてまた変わると聞いている。国は、解決案を示す責任がある。引き続き国会の場で主張していきたい。福田議員は、3年前の和解勧告から年内和解に向けてご活躍された。この集会に参加した皆さんが納得のいく救済方法を模索して、一日も早く前に向けて進めていきたい。」と述べられました。



P1030133.jpg公明党の渡辺孝男議員は、「私も医師の1人である。予防接種の回しうちで、被害者には何の責任もない。額も示されず、国はまだまだ及び腰で、被害者を救う形になっていない。自分の責任でなく肝炎で苦しんでいる方々を救わなければならない。」と述べられました。



 公明党の赤松正雄議員は、「人間の命の問題なので、与党も野党もなく、必ず合意ができると思っています。民主党は、野党の時にはできると思ったんでしょうが、官僚と接して、やっぱり難しいなと思っているのではないか。しかし、これから大きく前進できる可能性がある。」と述べられました。

P1030139.jpg その後、弁護団、原告団から意見を述べました。



 最後に、学生さんから、今後の宣伝行動の予定が説明されました。
 山手線29駅を、署名と宣伝をしながら8日間かけて回るという企画(9月20日16時有楽町出発、10月16日新橋着)があります。
 また、10月17日には、全国一斉シンポジウムが行われます。このときには、ユー・ストリームを使用した企画になるそうです。
 党派を超えた、B型肝炎訴訟の早期解決の必要性、より具体的には、年内解決の必要性が共通認識となった集会として大変意義の大きいものでした。

国がキャリア切り捨て、賠償額明示せず(2010.9.1)

 2010年9月1日10:30から、札幌地方裁判所で、B型肝炎訴訟の和解期日が開かれました。
 国は、裁判所から和解案の全体像を早急に出すよう求められたことを受け、上申書を持参しました。
 しかし、その内容は、被害者を切り捨て、救済額を明示しない不当なものでした。
まず、最高裁でも償いを求められたキャリアに対する救済を否定しました。
 その理由は、予防接種等から20年以上たっているからという除斥期間(時効のような制度)があるからだと言っています。
 しかし、先行訴訟が起こされた後、20年以上国が徹底して自分の責任逃れに終始し、そのため、被害者は、自分のB型肝炎感染が国のせいだと言うことが分からないまま時間が経過しました。ここで、国が除斥期間を主張することは、「ゴネ得」「逃げ得」以外の何者でもありません。
 次に、賠償額については、具体的に示しませんでした。
「最高裁判決をふまえた合理的な水準」と言っていますが、最高裁判決は、キャリアの被害者と、慢性肝炎の被害者の共通被害である、持続感染したことに対する慰謝料を500万円と認定しているだけです。それをふまえて慢性肝炎、肝硬変・肝ガン、死亡被害者に対してどういう賠償額を提示するのかは最後まで明らかになりませんでした。
 さらに、予防接種を打ったかどうかについては、母子手帳がない場合は、予防接種台帳か、接種痕と医師の意見書の組み合わせなどの証拠が必要だと言ってきました。
 しかし、予防接種台帳がほとんど残っていないことは国も承知のことであり、接種痕が残るのは、多数の予防接種の中で、わずかに種痘とBCGだけであり、しかも、これを受けていても、本人の体質によっては消えてしまうこともあります。
 偶然消えてしまった人を切り捨てるという、不合理なもので、とうてい誠実な案とは言えません。
 国は、非公開の和解協議の場で、「インターネット調査の結果、40代以上のかたの8割、40才未満の方の4割ないし5割に接種痕がある」「打っていても消えることはあるが、消えた人は証拠がないことになる」「死亡した人の場合は確認できないと言われればそれはそうだが、考えていなかった」など、加害者の代表として誠実に対応しているとはとうてい考えがたい発言を繰り返しました。
 全国原告団代表の谷口三枝子さんは、「キャリアの方も同じ苦しみ、つらい思いを持っている。これから発症する可能性もある。家族も苦しむことになる。キャリアの切り捨ては断じて許されない。」と訴えました。また、「接種痕を求める基準がでるとは思いもよらなかった。いっそのこと、焼きごてで烙印を押してもらえれば良かった。60年前の証拠で烙印を求められるとは思っていなかった。」と国の不合理な主張を批判しました。
次回9月15日は、14:00から弁論、14:30から和解協議となり、次回までに、原告は、今日までに示された国の考えに対する意見を提出し、国は、説明できるもの、提出できるものを提出することとなりました。

B型肝炎訴訟・第3回和解協議における国の和解案について

全国B型肝炎訴訟原告団
                        全国B型肝炎訴訟弁護団

1 本日、札幌地方裁判所の第3回和解協議において、被告国から「和解の全体像に関する国の考え方」と題する書面が示された。

  この「考え方」は、前回の和解協議期日において「できるだけ早期に全体を提示すべき」という裁判所の見解が出されたことにより提示されたものであるが、母子手帳に代わる立証方法、和解金額そしてキャリアに関する考え方が示されたものの、全体解決案としては全く不十分なものであるだけでなく、キャリアをはじめとして被害者の多くを切り捨てるとともに、賠償額を不当に低く抑え込もうとするものである。

 すなわち、
 (1) 国は、キャリア状態にある被害者に対して、①除斥期間の問題があること、②慢性肝炎を発症する割合が相当程度低いから、キャリアに対する一時金賠償は行わないとしている。
しかし、接種時から20年を経過したとして除斥期間を問題にするとなれば、ほぼすべてのキャリアが請求権を失うことになる。そもそも、国は、先行訴訟の提起から現在に至るまで20年間余にわたって責任を争ってきたのであり、その国が、その間に20年経過したから請求権が消滅すると主張すること自体、著しく正義に反し到底許されるものではない。
 また、キャリアは、発症の恐怖や他者への感染の懸念から自制した生活を余儀なくされ、あるいは社会的な偏見にさらされるなど多大な被害を現実に被っている。国は検査費用等の負担を言うが、その他の被害を一切救済しないことはまったく不当である。

 (2)救済水準(和解金額)について、国は、具体的な金額は何ら示さなかった。これでは全体案とは言えない。なお国は、「平成18年最高裁判決の基準を踏まえた合理的な水準」とすべきであるとしているが、平成18年最高裁判決の認容額は、慢性肝炎とキャリアに共通する「持続感染者になったこと」についての精神的損害だけを評価したものであって、それ以上の損害については含まれていない。最高裁判決を基準にするというのであれば、そこに含まれない損害についても正当に評価して損害額を算出すべきである。

 (3) さらに、国は、母子手帳に代わる代替案として、予防接種台帳か接種痕に関する医師の意見書などを求めているが、現実には予防接種台帳は短期間で廃棄処分されるものであって残っていないことは明らかであり、接種痕についても、接種痕の残らない予防接種も多く、接種痕の残る予防接種であっても接種痕は時の経過や体質によって消えるものであり、非現実的な証明を求めるものであって、代替案になるものではない。

2 以上のとおり、本日提案された国の「考え方」は、全体として被害者切り捨ての「考え方」であり、受け入れられないものである。

  国には、キャリアを含め一人の被害者も切り捨てることなく、被害者の被害に見合う水準の解決案を、一日も早く提示することをあらためて強く求めるものである。

 以上

九州訴訟第11回期日報告(2010.8.18)

 2010年8月18日14:00から、福岡地方裁判所で、B型肝炎九州訴訟の第11回(第10次第1回)期日が開かれました。

 原告番号137番さんは、意見陳述で被害を語りました。

 忙しく仕事をしていた42歳の時に、慢性肝炎を発症しました。49歳の時にインターフェロン治療を受け、激しい副作用におそわれましたが、効きませんでした。ちょうどそのころ、会社の上司が60歳前後で3人もB型肝炎からの肝ガンで亡くなり、自分の人生も区切られた思いがしました。
 60歳の時には肝硬変を発症しました。
 62歳の時には、肝ガンが見つかりました。抗ガン剤の投与を受け、ラジオ波焼灼、エタノール注入を行いました。

 しかし、3年たたない今年5月には、肝ガンが再発しました。抗ガン剤の投与とエタノール注入を受けました。奥さんは、元気になったらイギリスに行こうと励ましてくれますが、気力、体力がなく、実現できそうにありません。
 「私も含め、重篤なB型肝炎患者には時間がありません。国は、和解協議で誠実な態度を示してください。一刻も早く謝罪をして、私たちを安心して暮らせるようにしてください。」と訴えました。

 つづいて、佐川弁護士から、原告らが6歳までに予防接種を打ったことがあることについて、国が母子手帳の代替立証を認めるといいながらも、存在しない証拠の提出を求めている態度がいかに不当なものかを訴えました。

 最後に、武藤弁護士から、菅首相が、「大臣」という岩波新書で書いている薬害エイズ訴訟の教訓としての被害者の速やかな救済を全く実行しようとせず、札幌地裁が「救済範囲を広くとらえる」という指針を受諾したにもかかわらず、争い続けている不当性を訴えました。次回9月1日までに、和解案の全体像を示すよう求めました。
支援の皆様の傍聴により、大法廷は埋まりました。今後とも、ご支援をよろしくお願い致します。





九州訴訟第11次提訴、全国の原告500名を超える(2010.8.5)

 2010年8月5日16:30に、新たな原告15名が、福岡地方裁判所に、B型肝炎九州訴訟の第11次提訴を行いました。九州訴訟の原告数は150名を超え、154名となりました。
 また、本日は、全国いっせい提訴が行われ、全国8地裁で、合計59名が提訴しました。全国の原告数は500名を超え、511名となりました。
 福岡県田川郡福智町の型製造販売業を営む竹井順一さんは、だるさを感じて検査を受けた2009年3月に慢性B型肝炎と診断されました。今もだるいときには、仕事をすることができません。
「司法を無視して解決しない国の態度は許せない。放置しては子供にも悪いと思い、提訴しました。また、他にも予防接種の回し打ちの被害者の方が声を上げられるようにと思い、実名公表しました。」とその決意を語りました。
 九州訴訟副代表の榊原俊之さんは、「肝ガンが再発し、手術をして2日前に退院しました。窪山さんも肝ガンの再発で、手術を受けたばかりです。私も窪山さんも、『解決の日を見届けるまでは、死ぬわけにはいかない』と話し合っている。」と語り、遅々として和解協議を進めない国を厳しく批判しました。
 以下、本日の提訴概要です。
 なお、明日下記の番号で、B型肝炎110番を実施します。心当たりの方はご連絡下さい。

            B型肝炎訴訟・提訴概要  2010.8.5

                       全国B型肝炎訴訟九州弁護団

第1 九州訴訟第11次提訴の概要
 1 原告、被害者
   原告は15名(男性11名、女性4名)。被害者も同じ。

 2 原告(被害者)年齢
   30代2名、40代4名、50代4名、60代5名

 3 原告居住地 福岡県9名、佐賀県1名、長崎県2名、熊本県1名、鹿児島県1名、山口県1名

 4 肝炎のステージと請求額
   合計 5億8300万円

     慢性肝炎     3300万円  11名
     肝硬変・肝ガン  5500万円   4名

 5 全体の原告数
   今日、福岡で15名の原告が提訴したため、福岡地裁における九州訴訟の原告は合計154名に(被害者数145名)。

* 九州訴訟の現状(2010.8.5提訴後時点)

請求金額合計:49億7200万円

被害者のステージ:無症候性キャリア 14名

         慢性肝炎 89名
         肝硬変・肝ガン 32名
         死亡 10名(遺族19名)

原告居住地:福岡105名、佐賀10名、大分4名、熊本4名、長崎8名、鹿児島7名、宮崎1名、山口8名、沖縄1名、その他6名

第2 2010.8.5 全国いっせい提訴状況

 1 今回の提訴前
   全国10地裁、原告数452名(被害者数442名)
   札幌71名、東京50名(被害者49名)、新潟18名、金沢8名、静岡16名、大阪76名、
   広島58名、鳥取10名、松江6名、福岡139名(被害者130名)

 2 今回の提訴後
   今回の全国提訴は、以下の通り。
   北海道4名、東京11名(被害者数9名)、新潟2名、静岡8名(被害者数7名)、金沢4名、
   大阪13名(被害者数12名)、広島2名、福岡15名の8地裁59名(被害者数55名)が提訴。

   今回の提訴により、全国の原告総数は、10地裁で511(被害者数497名)になった。

   無症候性キャリア 89+9 慢性肝炎 261+30 肝硬変・肝ガン76+13 死亡 16+3 (被害者数497)

衆議院厚生労働委員会でのB型肝炎に関する質問(2010.8.3)

2010年8月3日、15:20から、衆議院の厚生労働委員会が開かれました。
自民党の大村議員は、「母子手帳の代わりになるものは何なのか。早く示すべきだ。」と追及しました。しかし、長妻厚生労働大臣は、「現在検討中であり、次回の和解期日である9月1日には回答する予定です。」という官僚答弁しか行いませんでした。
 大村議員は、さらに、「そもそも、賠償額など、和解案の全体像をまだ示していない。裁判所も早急に全体像を示すよう求めているではないか。9月1日に示すのか。」との追及をしました。これに対しても、長妻大臣は、「全体像を示せるかどうかも含めて検討中である。9月1日には回答できるものを回答する」という趣旨の官僚答弁しか行いませんでした。

 民主党の福田議員は、「和解が速いペースでは進んでいないのではないか。」という質問を行いましたが、長妻大臣は、「7月6日に最初の見解を示し、7月28日に原告側の反論を受けたので、次回9月1日にこれに対する見解を述べる予定である。」という従来通りの答弁しか行いませんでした。福田議員は、最後に、「薬害肝炎でも政治決着で解決したので、一日も早い政治決着をお願いします。」と述べました。

早期解決にむけて!~今後の活動方針~(2010.7.30)

弁護団長 小宮和彦 

毎日暑い日が続きますが体調にはくれぐれもご留意されてお過ごしください。
さて,裁判は和解協議に入りました。しかし,国はいまだ和解案の一部だけを小出しにして早期解決の姿勢が見受けられません。このような国の姿勢を変えさせて被害者切り捨てを許さない早期解決を勝ち取らなければなりません。
そのために,現時点における和解協議の状況を説明するとともに早期解決のための今後の活動方針について説明いたします。

1 和解協議入りと国の見解の提示
今年3月の札幌地裁と福岡地裁での和解勧告を受け,5月にやっと国は和解協議入りを表明しました。国が和解協議入りしたのは,和解勧告後に2回の厚生労働省前の座り込みを含め,幾度にもわたる原告の皆さんの東京行動等の懸命の活動の成果でした。
しかし,国は和解協議入りを表明したものの,5月の裁判期日には具体的な和解案は何も示さず,7月の裁判期日(札幌地裁6日,福岡地裁12日)において,国の見解として和解案の一部だけを示しました。それは原告ら被害者を線引きして切り捨てをはかろうとするものであり到底受け入れられるものではありませんでした。
このため原告団は国に対して厳しく抗議し,7月28日の札幌地裁の期日においては,被害者切り捨てに当たる部分の撤回を強く要求するとともに,和解案の全体を9月1日の次回期日までに示すように求めました。裁判所も国に対し早期に和解案の全体像を示すように求めました。

2 国の見解の概要
国の見解は以下のように不当なものです。
(1) 予防接種を受けたことの証明については,母子手帳がなくてもいいと言いながら,母子手帳に代わる合理的な代替証拠による立証が必要であるとしています。しかも代替証拠が何かについては検討中として明らかにせず,裁判所や原告の意見を聞きながら詰めていきたいと述べ,きわめて不明確です。
当然,原告団としては,予防接種を受けることは罰則まで科された義務であったことと実際にほとんどの人が予防接種を受けていることから,日本に居住していたことを証明できれば他に証拠はいらないとして国の主張を撤回するよう求めています。

(2) また,母親が死亡している原告について,母子感染を否定するための立証(予防接種を受けていることの立証ということになります)として,きわめて限定した場合だけに母子感染の否定を認めるという不当な基準を示しています。
少しややこしくなりますが,国の見解は,母親が死亡している場合については,兄や姉がいて,かつ以下の①~③のいずれかに該当する場合にだけしか母子感染の否定を認めないというものです。母親のHBs抗原陰性だけのデータでは認めないとしています。
①兄や姉のうち,1人でも未感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陰性)がいる場合
②兄や姉のうち,複数が一過性感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗原陽性低力価)である場合
③その他の兄や姉がいる場合について,医学的知見を踏まえた個別判断により母子感染が否定できる場合(国の代理人は,母親の出産年齢や兄や姉の年齢などを考慮して個別的に判断すると述べています)。
しかし,母親がHBs抗原陰性であれば臨床ではキャリアではないと診断されており,それ以上の詳しい検査はされません。このため,母親が死亡していて,生存時のHBs抗原陰性のデータがあれば母親はキャリアではない可能性が高く,母子感染は否定されるべきです。また,母親が死亡して,兄や姉のうち1人しか一過性感染者がいない場合も,仮に母親がキャリアであったとしても兄や姉に持続感染させなかったわけですから,その下の原告に持続感染させるとは考えられないので,やはり母子感染を否定すべきです。
このため,母親のHBs抗原陰性のデータしかない場合や,兄や姉に1人しか一過性感染者がいない場合についても,母子感染を否定して認定するように見解をあらためるべきことを要求しています。

(3) さらに,父親の血液データや本人のジェノタイプ検査結果についても,提出しないでいい例外を設定しながらも原則的な提出を求めています。
  しかし,これらのデータが提出されたとしても本人が予防接種により感染したことを否定できないことは,札幌地裁も以前に明言しています。提出は不必要なものです。したがって,この点についても国の見解の撤回を求めています。

3 国の見解を押し返す
国の見解は原告側にあまりに過大な立証を要求するものであり,これまで国が被害者を放置してきたことによって立証が困難となっているにもかかわらず,そのことを逆に利用して被害者の切捨てをはかるものです。札幌地裁が「救済範囲を広くとらえる方向で判断」するとした和解勧告にも明らかに反するものです。このため,原告団は,とうてい受け入れることはできないとして厳しく批判するとともに,被害者を切り捨てる部分についてただちに撤回するよう求めています。
国自身も,原告団が受け入れる可能性のないことが分かっているため,裁判所や原告側の意見を聞きながら,今後協議を詰めていきたいと表明しています。
国は世論の反響を見きわめながら和解協議を進めようと考えています。つまり,小出しにした国の見解を,世論が支持すればそのまま押し通そうとするし,世論が支持しなければ撤回しようとしていると思われます。和解案を一部ずつ小出しにしながら,それについての世論の反響をうかがいながら和解協議を進めていこうとしているのです。
このため,国の見解がいかに不当なものであるか,原告団の主張がいかに理にかなったものであるかについて,世論の支持を受けて,国の見解を押し返さなければなりません。原告団の主張には理がありますから,それは十分に可能なことです。

4 今後の和解協議の進行
和解協議は札幌地裁と福岡地裁で進んでいますが,被告は同じ国であり,裁判の争点も同じですから,同じ内容の解決になります。このため先行している札幌地裁の和解協議を中心に進め,福岡地裁における和解協議は札幌地裁の和解協議を補足しフォローする形で進めています。
札幌地裁の和解協議は,今後,9月1日(午前10時30分),9月15日(午後2時),10月12日(午後1時30分),10月26日(午後1時30 分),11月24日(午後1時30分),12月22日(午後2時)と予定されています。福岡地裁は9月6日(午後2時)に和解協議期日が指定されています(福岡地裁8月18日午後1時は弁論だけで和解協議はありません)。

5 今後の活動方針~年内解決を目指して!
弁護団は年内の和解解決を目指しています。
そのためには,裁判所における和解協議を進めるとともに,裁判所外において,国会の内外で被害者切り捨てのない早期解決を国に迫る活動を精力的に展開する必要があります。
本格的な国会は,9月中下旬から秋の臨時国会が開催される予定です。例年,年末近くまで開催されています。この秋の臨時国会の時期を和解解決のための山場にしたいと考えています。
秋の臨時国会が開始するころまでに国の全体案を明らかにさせ,和解協議と国会を連動させ,国会の委員会や本会議等でB型肝炎訴訟の和解協議を取り上げてもらい,野党議員等から政府の被害者切り捨てや引き延ばしの姿勢を厳しく批判追及してもらい,政府の姿勢をあらためさせたいと思います。加えて,抗議行動や街宣活動などにより,国会の内外で世論を盛り上げ,世論が原告団を強く支持するようにしていきたいと思います。国は世論の声には従います。それによって国を押し返し,切り捨てを許さない解決を勝ち取ることができます。
これから秋の臨時国会にむけて具体的な活動を組んでいきたいと思います。大変かとは思いますができる限りのご参加ご協力よろしくお願いします。
最後まで一致団結して頑張りましょう!

札幌地裁、国に和解の全体像を示すよう求める(2010.7.28)

 2010年7月28日午後3時から、札幌地方裁判所で、B型肝炎訴訟の和解期日が開かれました。
 原告団は、前日に札幌地方裁判所に、和解協議に当たっての意見書を提出しました。
 意見書の中で、札幌地方裁判所の和解勧告から4ヶ月、国による和解協議入り表明から2ヶ月が経過しているにもかかわらず、被害者認定基準の一部しか示さず、除斥期間についての考え方や、賠償額については全く示していないことから、札幌地方裁判所の次回の和解期日である9月1日までに、和解案の全体像を示すよう求めています。
 また、加害者である国が、40年にわたる回しうちを行い、その後20年以上その被害を放置し続けてきたことから、多くの被害者が、母を亡くしており、母子感染ではないという最も強力な証明方法である母親の詳細な血液検査データが提出できない状態になっていることを指摘し、代わりの信頼性のある証拠を提出しているから、被害者と認めるよう求めています。
 また、国は、7月6日の札幌地方裁判所の和解期日において、「母子手帳が無くとも原告らが予防接種を受けたという代替立証は認める。しかし、予防接種台帳のような信頼性の高いものがないか。原告らが予防接種を行った時期のものは残っていないだろうが、調査はしていない。」などと、人ごとのような発言をしていました。
 原告団は、調査した限り、①原告らが打った時期の予防接種台帳が存在していなかったという調査結果と、②厚生労働省の予防接種率の統計資料から考えると、資料が存在する昭和37年から63年までの間で、7歳になるまでの時期に1回も予防接種を受けていない人がいる確率は、どの時期でも1%未満であることを示した資料を提出しました。
 このことは、厚生労働省は、当然承知しているはずですが、被害者が一生懸命調査しても、なかなか重い腰を上げようとしません。
 今回の和解期日においても、台帳の存在については、「調査する方向で動いている」と言ってみたり、「昭和60年ころからなら残っているところもないわけではない。残ってないところの方が多いのではないかといわれても答えられない。いつ調査を終える予定なのかも言えない。」などという回答に終始しました。
加害者である国は、いったいいつ頃被害者に謝罪して償おうと考えているのかが全く見えません。そもそも、被害者に謝罪して償おうという気があるのかどうかも見えません。
裁判長は、和解期日の最後に、原告被告とも同席の上で、「国の和解案の全体像について、なるべく早期に示して頂きたい。」と、国に対し、和解協議を促進するよう求める所見を出しました。
国の不誠実な態度は、裁判所から見ても目に余るものであったといえます。
 国が、次回9月1日にどういう回答をするのかが注目されます。

B型肝炎訴訟・和解協議について(コメント)

                        全国B型肝炎訴訟原告団
                        全国B型肝炎訴訟弁護団

1 本日、札幌地方裁判所で、B型肝炎訴訟の第2回目の和解協議が行われた。本協議において、われわれは、前回の和解協議において被告国から示された見解に対する原告側の見解を示した。われわれの見解は、集団予防接種によりB型肝炎ウイルスに感染した原告ら被害者の切り捨てを許さないための要件を明らかにしたものである。
これに対して、被告国は、いずれの論点についても、検討をするという回答のみで、たとえば、母子健康手帳にかわる証明方法についてもなお検討中であるとして、検討結果も示されなかった。具体的な要件について、何一つ決めることができなかったものである。

2 さらに、今後の和解協議の進行についても、どのようなテンポ、スケジュールで進めるのかについても、被告国は明らかにしなかった。次回期日に何を明らかにするかも全く示さなかったのである。

3 これに対して、裁判所は、国側に、早期に全対案について出来る限り早期に示すように国に努力されたいと強く求めた。国は、政府に「裁判所の見解を政府に伝える」との回答をしたのみである。

4 われわれは、このような被告国の対応を厳しく批判するとともに、被告国には、裁判所の所見に従い、早期に、被害者を一人も切り捨てない内容での和解に関する全体像をしめすことを求めるものである。                                   

 以上

九州訴訟でも国は、加害者の自覚なし(2010.7.12)

 2010年7月12日午後2時から、B型肝炎九州訴訟の和解期日(弁論準備期日)が開かれました。
 国は、6月21日と7月6日の札幌地裁での対応と同じ対応を行いました。
 国は、3月12日の札幌地裁での和解勧告から4か月たったにもかかわらず、被害者の認定基準すら明確に示しませんでした。
7月6日の札幌地裁での和解期日に際しては、あらかじめ、「母子手帳が無くとも救済を認める方針」という情報をリークして、あたかも救済範囲を広げ、柔軟な対応をするかのような姿勢を流しました。
 しかし、実際の和解期日においては、「母親の陳述書と、母子手帳の記録では、証明力が大きく異なる。なにか客観性の高い証拠がないか検討している。」などという答弁に終始し、「母子手帳が無くても、この証拠があれば、被害者と認定できる」という基準は全く示しませんでした。しかも、その基準をいつまでに示すのかすら説明しませんでした。
 原告団、弁護団は、このような不誠実な国の対応を厳しく批判しました。
 本日の九州訴訟の期日においても、国は、「母子手帳の代替立証について、十分な詰めができていない。裁判所や原告のご意見を伺って詰めていかなければならない部分がある。予防接種の禁忌(打ってはならない場合=重大な心臓病に罹患しているなど)の報道は、それがあったら被害者でないことがはっきりする資料だと言うだけで、それが除外できたら被害者と認定してよいという意味ではない。資料を総合的に判断しないといけない。予防接種台帳も、全自治体が保管しているかわからない。あるものはどうするか、無いものはどうするか、今の時点で、明確な案はない。」として、被害者認定基準は示さず、その時期についても明確にしませんでした。
 国は、「国として確実に譲れると言うところは、今示している部分のみ。他の部分については、ご指摘を受けながら考えたい。」として、被害者認定基準の確定について、どれだけ時間がかかってもかまわない姿勢を明らかにしています。
 しかも、「除斥期間、賠償額についての対案をいつ出せるかというのは、まだいえる状況ではない。」として、和解案全体を示す日程については全く明らかにしていません。
 にもかかわらず、法廷外で、実務協議を持つ考えはないと明言しています。
およそ、国が加害者としての法的責任を自覚して、被害者に速やかに謝罪し、償おうとしていないことは明らかです。
 弁護団は、7月28日の札幌地裁の和解期日までに、国の主張に反論することとし、その次の和解期日(弁論準備期日)である9月6日14:00~15:30(福岡地裁)までに国の再反論を受けることとなりました。
 国の対応に対し、以下の声明を発表しました。
 記者会見で、原告団代表の谷口三枝子さんは、「原告の多くは高齢で、肝臓ガンなどを発症して死の淵でおぼれようとしている。超党派ではやく救命ボートを出して頂きたい。」と訴えました。肝臓ガンの再発で入院を予定している窪山寛さんは、「民主党政権は、野党の時には、早く和解で解決しろと言っていたのに、自分が政権を取ると全く無責任だ。」と厳しく批判しました。
 「命を守る」といってB型肝炎被害者を放置した鳩山首相、薬害エイズ訴訟を解決したと所信表明演説で誇った菅首相、このような民主党政権に、国民が求めている政策の実現をする能力はあるのでしょうか。言うことがころころ変わって、結局和解できないという「辺野古」風決着、「消費税額論議」風決着を、菅首相が回避できるのかが、今後の争点になります。

B型肝炎訴訟九州訴訟の和解協議における国の見解に対する声明(2010.7.12)

                       全国B型肝炎訴訟原告団
全国B型肝炎訴訟弁護団

1 本日、福岡地方裁判所における和解協議において、被告国から協議に向けての見解が示された。
しかしながら、被告国が示した被害者認定基準は、去る平成22年7月6日の札幌地方裁判所における和解協議において出されたものと同様、一見被害者救済の間口を広げるかのごとく表現されていても、その実、被害者の圧倒的多数を切り捨てようとするものであり、「救済範囲を広くとらえる方向で判断」すべしとの札幌地方裁判所の指針に真っ向から反するものである。
(1)被告国は、予防接種を受けたことの証明として「母子手帳」の提出を必ずしも要件としないとしつつも、他方で母子手帳に代わる客観的な証拠の提出を求めている。
しかしながら、かかる客観的証拠が存在しないことは被告国においても百も承知のうえであり、その実は、不可能な証明を強いることによって被害者を切り捨てようとしているに他ならない。予防接種を受けることは刑罰を科してまで義務付けられていたものであり,受けていない国民が皆無に等しいことは周知の事実である。国の見解はきわめて不当であると言わざるをえない。
(2)さらに、被告国は、母子感染を否定する要件として、母親が死亡している被害者にも、母親の血液データ以外の代替立証を認めるなどとしながらも、その実は、母子感染が否定できる完璧な証拠のある限られたケースだけを認めているに過ぎない。それ以外の母親が死亡した被害者については,母子感染を否定できる十分な証拠がある被害者についても切り捨てようとしている。
  そもそも、証拠収集が困難な原因は、被告国が、集団予防接種によって国民にB型肝炎を蔓延させていることを知りながら半世紀以上にわたって被害調査すらも放置し続けたことにある。自ら招いた証拠収集の困難を口実に被害者を切り捨てようとする国の姿勢は、厳しく非難されなければならない。
(3)加えて、被告国は、他原因を否定する要件として、既に札幌地方裁判所において不必要と判断された父親の血液データや原告の遺伝子型(ジェノタイプ)データの提出を未だに要求しており,不当きわまりない。

2 このように、本日提案された国の見解は、予防接種により感染したことを十分に立証している大多数の被害者までも切り捨てるものであり,およそ和解案と呼ぶに値しない被害者切り捨て案に過ぎず、到底受け容れられるものではない。
 我々は、このような被告国の姿勢に強く抗議するとともに、被告国が、いま一度自らが未曾有の被害者を生み出した加害者であることを自覚し、被害者をふるいにかけることに腐心することなく、一人洩らさず被害者を救済することにこそ最大限の努力を傾けるよう、改めて求めるものである。     

 以上

札幌地裁の和解期日で、国が被害者切り捨て(2010.7.6)

 2010年7月6日14:00から、札幌地方裁判所で、B型肝炎訴訟の和解期日が開かれました。
 私たちは、被害者認定基準と賠償額をあわせた、和解案の全体像を示せと言っていましたが、国は、被害者の認定基準しか示しませんでした。
 しかも、その基準は、多くの被害者を切り捨てる内容でした。
 母子手帳がない6割の原告について、事実上存在しない自治体の予防接種台帳などの確実な証拠を代わりに提出するよう求めてきました。これは、事実上、母子手帳を持っていない原告は、集団予防接種を打ったことがあるかどうかわからないから被害者とは認めないという切り捨てを行ったものです。
 また、母親が死亡している被害者については、2名以上の兄、姉が生存していて、完全な血液データが提出できる場合に限定しており、ほとんどの被害者を切り捨てる内容です。
 その理由として、「90%の確率で被害者だろうという人でも、10%違う可能性があったら被害者とは認めない」という内容でした。このような基準は、判決ではとうてい通らない主張であり、なりふり構わず被害者を切り捨てようという国の強い姿勢を示すものでした。
 その他、札幌地裁では、不要とされた父親のデータやジェノタイプのデータの提出を今回国は求めてきました。また、除斥期間に対する考え方や、賠償額までの国の見解を示す期限も明確にされませんでした。
 およそ、加害者として、自分の責任に向き合い、被害者に早急に謝罪して償おうという姿勢は全く見られませんでした。
以下、札幌弁護士会館5階での記者会見での関係者のコメントです。
北海道訴訟高橋朋巳代表:具体的な話が聞けなかった。国の回答が、以前のことを蒸し返すようなことに終始して進展がない。いたずらに日にちだけが過ぎている。政府でもできないようなことを要求してきている。肝炎対策基本法には、B型肝炎は国の責任と書いてあるのに、この半年間何もしていない。具体的対策が講じられない政府には腹が立つ。
清本さん:集団予防接種を証明するところで、母子手帳がない人については、代替案を出す必要はないと思う。私もB型肝炎以外は全く健康で、集団予防接種を打ったおかげだと思う。早期全面解決をする姿勢を示してほしかった。
高橋元一さん:母子手帳に変わる他のものは、母子手帳以上に厳しい、無いものを出せと言っている。保健所にないものを持ってこいと言っているのは何を考えているのか。要するに被害者は切り捨てる、おまえたちは死んでもいいと言っているように聞こえました。民主党政権になって急速に進展するかと思ったら進展しない。菅首相が薬害エイズのようにがんばってくれるかと思ったが、全く進まない。裁判所は幅広く救済と言ったのに、国はこれをどうとらえているのか聞きたい。菅総理は、いかん。一つ一つ解決していくという姿勢が見られない。何とか解決しようという姿勢が見受けられない。残念です。
全国原告団谷口代表:母子手帳がない人は、確実な証拠を持ってこいということだった。60年前の証拠はない。加害者である国が探してこいと言いたい。腹立たしい気持ちでいっぱい。和解案の全体像はいつ示せるのか、いつ解決できるのか。薬害エイズの協議は頻繁なのに、この和解協議は月に1回。
 2年間の戦いで、原告は病状が苦しくなっている。ガンが再発して入院する仲間がいる。
 断じて国の態度は許せない。
東京原告団岡田代表:母子手帳で、立証不可能な、国自体も無いとわかっているものを変わるものとして求めてきたことに対して、とても腹立たしい思い。和解協議は、協力して議論するものだと思うが、このような無意味な国の言い分は、通らない。協議であれば、それに代わる案を国が出してくるべき。1ヶ月単位ということも、今までと何も変わっていない。
広島原告団山本代表:救済の範囲が狭すぎる。このトンネルをでられる原告はごくわずか。
 菅総理は、薬害エイズの時には個人の責任でなく病気に陥らされた被害者を救済するために政治ががんばる必要があるとして尽力したが、B型肝炎被害者は放置している。このような政治では、「最小不幸社会」は実現できない。

クリップボード01.jpg国の和解に関する見解

B型肝炎訴訟・和解協議のおける国の見解について(2010.7.6)

                        全国B型肝炎訴訟原告団
                        全国B型肝炎訴訟弁護団

1 本日、札幌地方裁判所の和解協議において、被告国から協議に向けての見解が示された。
見解は集団予防接種によりB型肝炎ウイルスに感染したことの証明方法等に関して出されたが、認定基準・認定方法について不当に狭い要件を求めており、札幌地方裁判所の示した「救済範囲を巡る本件訴訟の各争点については、その救済範囲を広くとらえる方向で判断し」との指針に反する「被害者切り捨ての和解案」であると言わなければならない。
 すなわち、
⑴ 予防接種を受けたことの証明として、国は「母子手帳」の提出を必ずしも要件にしないとしたが、あくまで、それに代わる「予防接種を受けた証拠」を求めており、実質的に極めて困難な証明を求めるに等しいものである。そもそも、予防接種は、刑罰を科して国民に接種を義務付けたものであり、予防接種を受けていない国民は皆無に等しいのであって、予防接種を受けたことの立証を求めること自体が不当と言わなければならないのである。
⑵ また、母子感染否定の要件として、母親がすでに亡くなっている場合についても、母親の血液データ以外による代替立証を認めるとするが、年長のきょうだいの血液データによる当然のケースを限定的に認めているにすぎず、この点でも多くの被害者を切り捨てるものである。
⑶ さらに、国は、父子感染の問題及びB型肝炎ウイルスの遺伝子型(ジェノタイプ)の問題をあくまでも和解条件に持ち込むとして、父親の血液検査の提出、原告のウイルスの遺伝子型の提出を求めている。札幌地方裁判所は、すでに「原告らの父親の検査結果の提出は求めない、原告のウイルスの遺伝子型の提出は求めない」との所見を示しているのであるが、その裁判所の所見に反するものであり、到底容認できるものではない。

2 その他、病態・症状の証明のための資料の範囲についての問題に加え、今後の和解協議の進行についても、国は、原告らとの直接協議はしないとの態度を変えず、さらに、裁判所の和解期日についても、最終解決を目指した日程を入れることを拒んでいる。国には早期に被害者救済するとの姿勢がないと言わざるを得ない。

3 以上のとおり、本日提案された国の見解は、救済範囲を狭め、被害者に不当な証明負担を課すものであり、到底受け入れられないものである。
菅内閣が発足して1カ月が経過した。われわれは、菅首相の「最小不幸社会」を目指すとの意気込み、官僚に抵抗して薬害エイズ問題を解決に導いた政治姿勢に期待し、本日の見解を待った。しかし、その内容は上記のとおり被害者救済に程遠いものであった。われわれは、菅内閣に対して、本B型肝炎問題に対する姿勢を転換し、被害者を1人も切り捨てることなく、本件を全面解決するための和解の実現のため、最大限の努力をすることを、改めて求めるものである。

                                     以上

菅内閣が解決引き延ばし(2010.6.21)

 2010年6月19日10:30から、札幌地裁で、B型肝炎訴訟の進行協議期日が開かれました。
 原告は、国に対し、今日の期日には、被害者認定基準だけでなく、損害額もあわせた和解案の全体像を示すよう求めていました。
 しかし、国は、損害額はおろか、被害者認定基準すら示しませんでした。
 代わりに、別紙「和解協議に臨む国の基本的な考え方について」を読み上げました。
 原告が、1~2週間ごとの和解協議を行うよう求めたのに対し、国は、「2週間という短期間での協議をすすめても、国は対応できない。損害額まで含めた和解案の全体像を示す目処は示すことができない。」という官僚答弁に終始しました。
 薬害エイズ訴訟の和解では、1週間ごとに和解期日が設定され、6ヶ月間、21回の和解協議で和解が成立しました。
 薬害エイズ訴訟を解決に導いたと所信表明演説で宣伝した菅首相は、薬害エイズ事件とは異なり、B型肝炎被害者を放置し、解決を引き延ばす姿勢を明確に示しました。
 北海道訴訟原告代表の高橋朋巳さんは、「和解勧告から3ヶ月間、何も示されず、何も進んでいないと言うことは信じられないことだ。私たちの病気はどんどん進んでいる。肝炎対策基本法で、国の法的責任と書いているのに、政府の回答は何も進めないもので、許せない。」と訴えました。
 副代表の清本さんは、「具体的なものがでず、残念。原告の皆さんの病気が常に進行している。最初の裁判からは何十年もたっている。菅総理には早期解決の決断力を求めていきたい。」と述べました。
 北海道原告の高橋元一さんは、「今日は、『進行しない進行協議』で珍しいものを見た。国の人は、進行という言葉の意味をわかっているのか、それから教えてやらなければならない。先送りすることだけは優秀だ。」と述べました。
全国原告代表の谷口さんは、「国は、解決する気があるのか。全く見えない。先週の肝炎対策協議会で、肝炎対策基本法の前文が配布された。肝炎患者の人権を尊重すると書かれているのに、この裁判での国の対応は矛盾している。1日も早く私たちに謝罪と救済をすべきではないのか。菅首相にリーダーシップを発揮してもらって、一言、『B型肝炎問題を解決してやろう。』と言ってほしい。私たちの命の重みを考えてほしい。私たちは弱い立場なので、菅首相にすがる思いだ。」と訴えました。
 大阪訴訟原告代表の久永さんは、「今日の結果は残念。菅首相は、『どうやったらお役に立てるか、検討したい。』と述べているが、そういう問題ではない。2007年に、薬害肝炎について、『一律救済すべきだ、政治決断すべきだ。』と言った。今回は、なぜ自ら政治決断しないのか。一部は説明できると言いながら、なぜ今日示せないのか全くわからない。国には考え方を改めてほしい。患者が苦しんでいることを知ってほしい。」と訴えました。
全国弁護団の佐藤代表は、「和解のための行程が示されない和解協議であり、和解協議と呼べるか疑問。和解協議入りの際に、和解の水準とテンポが重要であると述べたが、今日に至るまで、全く評価できない。本当に和解で早期に解決したいという姿勢ではない。和解協議入り前に、裁判所が争点整理を行ったものをさらに蒸し返す姿勢を示した。被害者の切り捨てを示唆している。」と指摘しました。
以下の日程が予定されましたが、国は、国の回答を求められる期日については、すべて今日は決められない、7/6にしか回答できないと言ったため、明確な進行が決まりませんでした。
 7/28 15:00~17:00に、原告側の回答の和解期日
 9/1 10:30~ 国の対応する和解期日の予定(原告らの要請と裁判所からの要請により仮に指定されている)
 7/6の期日において、裁判所は、9月中に、追加提訴分の弁論期日(終了後同日中に和解期日も続けて行う期日)を指定する予定。


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国の対応に抗議する谷口代表

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菅直人首相に対する面談要請(2010.6.9)

 2010年6月9日13:00に、谷口三枝子全国原告団代表は、内閣府において、新たに就任した菅直人首相に対し、面談を求める要請書を提出しました。
 新首相の早期解決へのリーダーシップを求める内容です。
 また、これに先立ち、長妻厚生労働大臣に対し、全面解決に向けた和解案を提示することを求める要請書を提出しました。
 次回の札幌地方裁判所での進行協議期日(6月21日)で、国の主張の一部だけではなく、和解案の全体像を示すよう求めたものです。
 新政権が、参議院選挙目当てで政策実現を放置するのか、変化の姿勢を示すことができるのか、が問われます。

面談を求める要請書

内閣総理大臣 菅  直 人 様

2010(平成22)年6月9日
全国B型肝炎訴訟原告団
  代  表   谷  口  三枝子

全国B型肝炎訴訟弁護団・全国連絡会
  代  表  弁護士 佐 藤 哲 之

要請の趣旨

B型肝炎訴訟の全面解決のために、菅新総理大臣には、私たち原告団・弁護団との面談に是非とも応じていただきたく要請いたします。

要請の理由

私たちは、集団予防接種での注射器の使い回しによってB型肝炎ウイルスに感染した被害者が、国を訴えている全国B型肝炎訴訟の原告団、弁護団です。
私たちは鳩山内閣の当時にも財務大臣であった菅大臣に対して、この問題の関係6閣僚のおひとりとして面談を要請してきました。しかし、残念ながら、菅財務大臣(当時)からは「面談の時間が取れない」あるいは「政府で対応を検討中であり面談できない」という理由で、面談を断られてきました。
菅総理大臣もすでに十分ご承知と思いますが、このB型肝炎問題については、平成18年の最高裁判決で国の責任が明確に認定されています。それであるのに、国が感染被害者に対する救済策を取らないことから、やむを得ず、B型肝炎患者・感染者が新たに裁判を起したものです。
現在、全国10地裁で452人の原告が裁判をたたかっています。
本年3月、札幌地方裁判所及び福岡地方裁判所が、和解勧告を行い、5月に、国は両地方裁判所で和解協議入りする態度を表明しました。
しかし、国は、具体的な解決策を示さず、ひとつの論点の検討にさらに2カ月の時間が必要であるとしました。平成18年最高裁判決がなされてすでに4年、本訴訟が提起されて2年が経過し、さらに、和解勧告から2カ月の期間があったにもかかわらず、何らの解決策も提示しない今回の国の対応は、まったく不誠実と言わざるを得ません。
本訴訟提起後すでに10名の原告が亡くなり、和解勧告後でも2名が亡くなっています。解決が延びればそれだけ原告・被害者の命は削られていくのです。
菅総理大臣は、1996年、薬害エイズ問題について、厚生大臣として、抵抗する官僚を押し切って解決に尽力されました。私たちは、総理大臣のこのような行動力に大変期待をしております。
私たちは、菅総理大臣にお会いし、私たちの切実な状況を聞いていただくとともに、新総理大臣のイニシアチブで解決に向けた協議の場を設定していただきたいと考えています。
菅総理大臣には、是非とも、私たちとの面談に応じられるよう強く要請する次第です。

最高裁判決4周年集会(2010.6.8)

 2010年6月8日18時30分から、永田町の全国町村会館で、B型肝炎訴訟最高裁判決4周年集会が行われました。最終的な入場者は約220名で、最後は立ち見がでる盛況でした。
 札幌の川西医師のギター弾き語りの後、集会が始まりました。
はじめに、全国原告団代表の谷口三枝子さんから挨拶が行われました。
 2006年6月17日の朝刊で、予防接種の回しうちによるB型肝炎感染について、国の責任を認める最高裁判決を報じる新聞を見て驚いたこと、きっと国は調査をして被害者に手をさしのべてくれると信じたこと。しかし、何もなされず放置され、自ら裁判を起こさざるを得なくなったことを指摘しました。
 そして、裁判を起こし2年間戦い続けてようやく和解協議入りが決まり、厚生労働大臣と面談することになったけれども、謝罪の言葉もなく、和解案の提示も引き延ばされていて、早期解決をしようと言う姿勢がない、と指摘しました。
 症状の重い被害者もいて、解決までに時間がないこと、すぐに解決のための具体的な行動が必要であることを訴えました。
 続いて、最高裁原告の木村伸一さんと、亀田谷さんからも挨拶がありました。
 木村さんは、提訴当時から、自分たち5名だけの問題ではないと訴え続けてきたこと、国は、それを17年間否定し続けてきたこと、さらに最高裁判決がでた後も、判決にしたがった賠償金を支払うだけで、謝罪するなど、自分たちを被害者として接してこなかったことを指摘しました。最高裁判決は、その程度のものなのか、国は被害者を救済するのが当然だと思うが、皆さんが提訴しなければならなくなったことに対して、自分たちの力が及ばずお詫びしたいと言われました。そして、自分たちも、力の限り、解決に努力したいと結びました。
 亀田谷さんは、何も悪いことをしていないのに、なぜ1人だけで苦しみを抱え込まなければならないのだろうか、と問題提起をされました。
 患者が次々に亡くなっていて、解決までに時間がないこと、治療代の捻出にすら苦しんでいる被害者もいることも指摘しました。
 現在看護師として働いている立場から、医療従事者の間でも、感染原因について、母子感染か性感染ではないかと尋ねられること、このような偏見があることが、この問題の早期解決を阻んでいるのではないかと指摘しました。その偏見の解消のためにも、予防接種の回しうちが原因であるというこの問題が解決され、広く知られなければならないと訴えました。
 つづいて、共産党の小池晃議員から挨拶がなされました。
 「最高裁判決が出ていながら解決できなかった政治の責任は重い。
 消化器内科の医師として、慢性のB型肝炎の患者さんは、母子感染以外の感染原因は予防接種の回しうちであるというのは常識であり、命の線引きを許さず、ただちに解決を求めて今後も活動をしていきたい。
 菅政権が、B型肝炎訴訟にどう退治するのかが、菅政権の試金石であり、ただちに解決せよという声を上げましょう。私も全力で闘っていきます。」と述べられました。
 つづいて、民主党の福田衣理子議員から挨拶がなされました。
 「木村さん、亀田谷さんが、自分たちだけのために17年間を費やすはずがない。すべての被害者にバトンがつなげられなければ意味がない。
 菅首相は、薬害エイズ事件を解決し、薬害肝炎訴訟にも尽力された。枝野議員も、党側から解決を導いてきた。今解決できなければ、もう解決できないのではないか。私も手を携えてこの問題の解決にがんばっていきます。」と述べられました。
 さらに、民主党の柚木道義議員は、「肝炎対策議員連盟の事務局長として、野党時代からこの問題に取り組んできた、最高裁判決に至るまでの、言葉に表しがたい苦難があったのに、この段階に至っても和解合意に至っていない点をお詫びしなければならない。
 引き延ばしをしない解決に尽力したい。
 菅新首相は、被害者にお詫びをし、いろいろな資料を提出させた。総理就任記者会見の中で、皆様方が不幸に見舞われたときに、その不幸を最小にする、最小不幸社会を実現するのが、政治の責任であると挨拶をしました。皆様方の問題を解決するのが重要な課題である。札幌地裁が示した、線引きのない被害認定は当然である。合理的な補償金ということについても、胸襟を開いて話し合いをしていきたい。」と挨拶されました。
 自民党の加藤勝信議員は、「本来祝うべき集会であると思うが、解決できていないことについて、私たちもこれから責任を果たしたいと、谷垣総裁や大村議員の思いももって参加している。
 7月3日までにすべてが終わるのかどうか、認定基準だけが出てきて、その次はまた後で、と言う進み方になるのではないか。大村議員の国会質問でも、次につながる答弁はなかった。
 新しい政権が生まれたのであれば、あらためて、この問題をどうしていくのか、委員会を通じて追及していきたい。解決をしてお祝いの会ができるように、1日も早くしていかなければならない。」と述べられました。
 共産党の高橋千鶴子議員は、「昨年も3周年集会に参加し、今年は、勝利和解の集会でなければならないのに、和解が進んでいないことは残念であり腹立たしい。
 C型肝炎だけでなく、B型肝炎についても、きちんと解決するために、肝炎対策基本法の前文に、国の責任を書き込んだことを忘れてはならない。
 超党派での見解表明ができないかと模索しているときに、首相が交代してしまった。
 菅首相が、薬害肝炎問題で質問したのを間近で見た。20数冊の薬害エイズの資料をうずたかく積み上げて、無いと言っていた資料を出させた。同じように薬害肝炎の解決を官僚に迫れと力強く迫った。そのような姿勢で、この問題に取り組むべきだ。」と述べられました。
 また、共産党の仁比総平議員は、「たくさん集まっておられるお一人お一人に、言葉に尽くせない被害がある。政府が、裁判所の和解勧告にしたがい、和解協議にはいるのであれば、官僚の机の上だけで解決を進めることはできない。解決の先延ばしについて、皆さんの直接の被害のお話に耳を傾けるのが、国が責任を果たす第一歩であり、それなくして全面解決はない。皆さんの願いが速やかに実現されていくように、被害をしっかりと受け止めていく力を打ち立てていきたい。」と語りました。
 つづいて、大阪の学生支援の方たちの朗読劇が行われました。
 自ら予防接種の回しうちの被害者であり、かつ自分の子どもに母子感染させて加害者となってしまった大阪訴訟の原告のお話をもとにして、母親と子どもの手紙のやりとりの形で表現した劇を、13人の学生さんが熱演されました。
重篤な症状となった場合に莫大な治療費がかかること、社会には日常生活でも移るかのような偏見に基づく厳しい差別があることも指摘されました。
 次に、鳥取地裁に提訴した原告で、提訴後に亡くなった遺族からの被害の訴えがなされました。肝硬変、肝ガンを発症し、しかもそれが国の危険な回しうちのせいだとわかって、せめて国に勝って一矢報いたいと考えて提訴したご主人が志半ばでお亡くなりになったことが無念であり、自分と2人の子どもが裁判を引き継ぐこと、謝罪を受けないまま亡くなっていく被害者が出てくるのは見ていられないこと、一刻も早く被害者に謝罪と償いがなされなければならないことを訴えました。
 次に、九州弁護団の柳弁護士から、「被害者の線引きを許さない」と題して、最高裁判決の被害者認定基準を解説し、原告全員が被害者であること、速やかに原告全員に謝罪と償いがなされる必要があることが明らかにされました。
次に、東京原告の田中義信さんから、「命を切り捨てるな」という訴えが行われました。
 「2009年1月26日に、『腫瘍があります。慢性肝炎があるので、悪性の可能性が高いです。』との告知を受けました。
 生協の仕事があるから、数ヶ月先にしてほしい、と訴えたところ、『そんなに先だと、生きておられるかわかりません。』と言われ、手術を受けました。手術後も、『5年後の生存率は50%、10年後の生存率は10%』『あと1年か3年ぐらいではないか』とも言われ、来年の桜を見られるだろうか、と思いました。
 政権が変わりました。まずはテーブルについて話し合いをしてほしい。長妻厚生労働大臣との面談はありましたが、形ばかりでした。私たちの訴えは、マスコミをシャットアウトして、まるでくさいものにふたをするようにして行われた。私たちの声を、本当は聞いていないのではないか。長妻大臣は、野党時代のような姿勢がないのではないか。
 菅首相は、厚生大臣の時に薬害エイズ事件で活躍された。あのときのようなリーダーシップで解決してほしい。」と訴えました。
さらに、全国弁護団長の佐藤哲之弁護士から、「最高裁判決は、国の責任ある対応を求めた。その後の4年間は、対応をとるに十分な時間だ。札幌地裁の和解勧告は、全国のメディアで、歓迎こそされ、批判はない。国民は、誰でも被害を受ける可能性があったことが理解されている。しかし、国は、和解案の全体像をいつ示すのか明らかにしていない。
 責任が明白で、なすべきことがはっきりしているのに放置し、被害を回復させない現在の国の対応は、回しうちを放置した国の行為と同じくらい犯罪的な行為である。
 和解の内容だけでなく、テンポが問題である。いかに被害を真正面から向き合って、取り組むのかだけだ。」という報告がなされました。
 日本肝臓病患者団体協議会常任幹事の赤塚尭さんから、「最高裁判決の言い渡しの立ち会い、鳥肌が立つほどの感動を覚えた。しかし、4年もたってしまった。放置されたままである。私たちも同じ悩みを共有するものとして、できる限りの解決への協力をしたい」とエールを送られました。
 薬害肝炎原告団もと原告の久野郁子さん・弁護団の山西弁護士からも支援のご挨拶を受けました。
 久野さんは、「医療従事者として、偏見をおそれて提訴できなかった。最高裁判決を知って、それを乗り越えて17年も闘った原告がおられたことに驚いた。薬害肝炎訴訟は、他人事ではないという国民の支援で勝てた。B型肝炎訴訟も、国民の支援を勝ち取って1日も早く解決してください。」と話されました。
 山西弁護士は、「薬害エイズ、ハンセン病、薬害肝炎は、被害者が勝ち取ったものです。これからが大変ですが、早期解決に向けてがんばっていきましょう。」と話されました。
全国の学生支援のメンバー5名からも、支援の挨拶がなされました。参加した学生さんたちは約30名でした。
 その後、早期解決を求める集会アピールを採択しました。
 最後に、東京原告団代表の岡田さんが挨拶をされ、「私は、来年はB型肝炎訴訟解決1周年集会を開くつもりで活動しています。」と決意を語りました。

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最高裁原告2名と谷口代表

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激励する福田衣理子議員

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激励する加藤勝信議員

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激励する小池晃議員

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激励する高橋千鶴子議員

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大阪の支援学生による朗読劇

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激励する薬害肝炎原告・弁護団



 九州訴訟第10回期日報告(2010.6.4)

 2010年6月4日11時から、福岡地方裁判所で、B型肝炎九州訴訟の第10回口頭弁論期日が開かれました。
 学生さんや、多数の支援の方々が傍聴して下さり、法廷は満員となりました。どうもありがとうございました。
 本年3月24日に提訴した原告の冨田さんは、高校3年生の時に献血をして、感染が発覚しました。ちょうどそのとき、テレビドラマで、B型肝炎の患者さんを開放した医師が、B型肝炎に感染し、生死の境をさまよう場面があったため、死の恐怖に襲われました。
 2008年に、理解のある奥さんと結婚され、女の子も生まれましたが、今年2月には肝炎を発症してしまい、抗ウイルス薬を飲まなければならない状態が迫っており、そうすると、奇形児が生まれる危険があるため兄弟を作ってあげることができません。
 予防接種の時の注射器の回し打ちで私の血液が汚れたのであれば、国の責任で私の血液をきれいな血液に入れ替えてほしい、と訴えました。
 また、「責任ある回答」ができないからという理由で拒まれ続けた厚生労働大臣面談で、実際には面談の際に何ら「責任ある回答」がなかったことを厳しく批判し、いらずらに和解を引き延ばすのではなく、まずは私たちの被害者と認め、心から謝罪するところから和解協議を始めてほしいと訴えました。
 原告の井上さんは、体調が悪かったため、弁護士の代読となりましたが、40歳の時に慢性肝炎を発症し、緊急入院が3か月に及んだときに、鳶の会社を辞めざるを得なくなりました。体も思うように動かず、年老いた母の年金を頼る生活になりました。その母も闘病生活5年目になくなりました。
「本気で私たち被害者を救済する意思があるのならば、私たち原告と直接協議する場を設けて下さい。そして、先行きの見えない将来、病に苦しむ私たちに、一日も早く具体的な救済策を示して下さい。」と訴えました。
 その後、私から、国が検討状況を公開しないのは、官僚の過大な試算を批判的に検討する能力がなく、官僚の言いなりになっているせいではないかと指摘しました。なぜなら、薬害C型肝炎訴訟の際、自民党政権の時代でも、当時の舛添厚生労働大臣は、官僚の「2兆円かかる」という試算表を弁護団に開示し、弁護団に反論の機会を与えているからです(「厚生労働省戦記」より)。

 最後に、小宮弁護団長が、肝ガンで余命を宣告されている原告が、文字通り命を削りながら解決を訴え、全国のメディアが早期解決を求めているのに、国が和解を引き延ばしているのは断じて許されないと訴えました。
 厚生省官僚と闘って薬害エイズ訴訟を解決に導いた菅首相は口先だけで「命を守る」と言って解決を引き延ばした鳩山政権とは異なり、B型肝炎訴訟を解決するはずだと原告は期待しています。
行政透明化チームをまとめ、6月中にも情報公開法改正案をとりまとめる予定とされている枝野行政刷新大臣は、幹事長になったのですから、もちろん厚生労働省官僚の過大な試算を公開するよう働きかけるでしょう。
 原告団・弁護団は、政権の「変化」が本物であることを信じて、早期解決を求めていきます。

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支援の学生さんたち

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谷口代表「菅首相に期待したい」

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学生さんから色紙をもらう冨田さん


九州訴訟第10次提訴・全国いっせい提訴(2010.6.2)

 15:00から、福岡地方裁判所に、B型肝炎九州訴訟の第10次提訴を行いました。今回の提訴者は6名で、九州訴訟の原告は139名(被害者数130名)になりました。
 今回提訴した匿名原告の男性(福岡県内在住、65歳)は、1986年にB型肝炎と診断され、1992年、九大病院でインターフェロン治療を受けましたが、効果がありませんでした。適切な治療法がないとのことで治療が受けられないまま経過していたところ、2005年に、肝硬変と診断されました。さらに、2007年に肝ガンを発症し、アルコール注入とラジオ波焼灼術を受けました。
 さらに今年5月、ガンの再発を指摘されました。これからアルコール注入の治療を受ける予定です。
 最初にB型肝炎と分かったとき、医師から、予防接種の回し打ちだろうといわれていました。そのときは、運が悪かったんだろうと思っていました。最近、B型肝炎訴訟が起こされていることは知っていましたが、本当は避けられるのに国の怠慢で引き起こされたことだったと知ったのは今年の3月のことでした。
 国の責任でなったのであれば、国の責任で償ってほしいと訴えました。
今日は、全国9地裁で32名が追加提訴を行いました。
 詳細は右記の通りです。

第1 九州訴訟第10次提訴の概要
 1 原告、被害者
    原告は6名(男性5名、女性1名)。被害者も同じ。
 2 原告(被害者)年齢
    30代3名、40代1名、50代1名、60代1名
 3 原告居住地 福岡県4名、長崎県1名、山口県1名
 4 肝炎のステージと請求額
   合計 2億2000万円
     慢性肝炎     3300万円  5名
     肝ガン      5500万円  1名
 5 全体の原告数
 今日、福岡で6名の原告が提訴したため、福岡地裁における九州訴訟の原告は合計139名に(被害者数130名)。
* 九州訴訟の現状(2010.6.2提訴後時点)
請求金額合計:49億7200万円
被害者のステージ:無症候性キャリア 14名
         慢性肝炎 78名
         肝硬変・肝ガン 28名
         死亡 10名(遺族19名)
原告居住地:福岡96名、佐賀9名、大分4名、熊本3名、長崎6名、鹿児島6名、宮崎1名、山口7名、沖縄1名、その他6名

第2 2010.6.2 全国いっせい提訴状況
 1 今回の提訴前
 全国10地裁、原告数420名(被害者数410名)
 札幌62名、東京49名(被害者48名)、新潟16名、金沢7名、静岡14名、大阪68名、広島57名、鳥取8名、松江6名、福岡133名(被害者124名)
 2 今回の提訴後
 今回の全国提訴は、以下の通り。
 北海道9名、東京1名、静岡2名、新潟2名、金沢1名、大阪8名、広島1名、鳥取2名、福岡6名の9地裁32名が提訴。
 今回の提訴により、全国の原告総数は、10地裁で452(被害者数442名)になった。
 無症候性キャリア 77+12 慢性肝炎 246+15 肝硬変・肝ガン72+4 死亡 15+1 (被害者数440)
* 今後の予定
  6/12 10:00~15:00 B型肝炎110番
   B型肝炎の持続感染者を対象とした、提訴の電話相談
092-724-3019(この日のみの番号)

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肝炎患者支援のための全国キャンペーン

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全国B型肝炎九州訴訟

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厚生労働大臣と原告団との面談行われる(2010.5.18)

 2010年5月18日午後8時から、衆議院第1議員会館民主党A会議室において、B型肝炎訴訟原告団と、長妻厚生労働大臣との面談が行われました(原告団25名、弁護団15名参加)。
 冒頭で、原告団代表の谷口三枝子さんが、B型肝炎訴訟の早期解決、すべての被害者への謝罪と償いを求めました。
 また、国が、札幌地裁で、和解協議入り以外に何らの具体策も出さず、因果関係の争点に対する国の考え方を説明するのにも2ヶ月かかると回答している状況が、ただの解決の引き延ばしにすぎないことを指摘しました。そのため、訴訟外に、政府と原告団・弁護団との直接協議の場を設け、ただちに政府内の検討状況を明らかにし、具体的な和解案を提示し、実質的な協議を進めるよう求める要請書を厚生労働大臣に提出しました。
 続いて、長妻厚生労働大臣が挨拶をしましたが、その中で、政府としては、裁判所の仲介のもとに進める方針であるとして、暗に直接協議を否定するかのような発言を行うとともに、今後も政府として誠実に対応するという抽象的な答弁を行い、何ら具体的な進展は見られませんでした。
 その後、原告5名から、被害の訴えと早期解決への国の具体的行動を求める訴えがなされました。
 最後に、参加された、衆議院、参議院厚生労働委員会理事(格)の議員の方々から挨拶がなされました。
 社民党の阿部知子議員は、「協議機関の設立という原告の皆さんの訴えを強く受け止め、一刻も早い回答を促したい」と発言されました。
自民党の大村秀章議員は、「協議の場を是非設けて頂きたい。政府は、札幌地裁で次回7月6日までに回答するという対応だが、そこまで行くことなく1日も早く解決策・救済策を作って、お示し頂きたい。」と発言されました。自民党からは、加藤勝信議員も出席されていました。
 公明党の古屋範子議員は、「現政権は、野党時代はこの訴訟について和解すべしと言っていたので、早急に結論を出すよう求めていきたい。」と発言されました。なお、公明党からは、山本博司議員も出席されていました。
 共産党の高橋千鶴子議員は、「大臣から、謝罪の言葉がなぜでないのか。2006年の最高裁判決からすでに4年たっており、この4年分の解決の遅れを大急ぎで取り戻さなければならない。」と発言されました。
 国民新党の森田高議員は、「原告の訴えを重く受け止めている。この問題に誠実に取り組んでいきたい。」と発言されました。
 長妻厚生労働大臣は、提訴後に肝臓ガンで亡くなられた匿名原告の遺族の訴えの際に、涙を流していましたが、それでも見解に全く変化は見られませんでした。
 原告らは、謝罪を聞くことなく被害者の原告が次々と亡くなっていく状況に対し、硬直した対応に終始する政府に、「命を切り捨てる政権だ」と厳しく批判しました。

早期解決のための直接協議を求める要請書(2010.5.18)

厚生労働大臣  長妻 昭 様
2010年5月18日
全国B型肝炎訴訟原告団代表 谷口三枝子 
全国B型肝炎訴訟弁護団代表 佐藤 哲之

要請の趣旨

被害者認定基準と賠償額に関する直接協議を訴訟外においてただちに開始し、一刻も早くB型肝炎訴訟の和解解決を図るよう求めます。

要請の理由

 2010年5月14日、札幌地方裁判所において、被告国は、和解協議入りすることをようやく正式に表明しました。
 しかし、3月12日の裁判所の和解勧告から2ヶ月経過し、その間に2名の原告の尊い命が奪われているにもかかわらず、何らの具体的な解決基準も示されませんでした。
 しかも、争点に対する見解を示すためとして、さらに2ヶ月期日が引き延ばされました。
 裁判所の和解勧告は、2006年の最高裁判決で認定され、2009年11月に成立した肝炎対策基本法でも明記された国の加害責任を前提としたものであり、和解勧告に応じた被告国は、自らの加害責任を自覚し、誠実にその償いを行うべきです。
 最高裁判決で国の法的責任が断罪された後も、国は、被害者の実態調査を一切行っていません。加害者である国は、被害者を放置し、次々と亡くなるのを待ってきたのです。
 2008年3月の提訴後に、すでに全国で10名の原告が亡くなっています。謝罪も償いも受けないまま、被害者が亡くなっていくのを放置することは、解決の引き延ばしにとどまらず解決拒否そのものであり、国による新たな加害行為に他なりません。
 一刻も早く訴訟の和解解決を図るため、以下の枠組みで私たちとの直接協議を行い、「命を守る」政権としての責任ある対応をとるよう求めます。
 来る5月26日までに御回答下さい。
1 早期和解解決を目標とする政府と原告団・弁護団との間の協議会を直ちに発足すること
2 協議会では、札幌地裁の「救済範囲を広くとらえる方向」との和解勧告指針に基づき、被害者の切り捨てを行わないこと
3 早期解決のため、札幌地裁における7月6日の和解期日には最終的な合意ができることを目標として、毎週1回、解決するまでの間協議を継続すること
4 行政の説明責任に基づき、本件に関して国の保有する情報は、すべて公開することを原則とし、この間6閣僚において協議されてきた経過と、現在の見解を、直ちに明らかにすること
5 協議内容については、その都度公開すること

政府として和解協議に応じる方針確認(2010.5.9)

 2010年5月9日夕方のフジテレビのニュースで、以下の報道がなされました。
「B型肝炎訴訟について、鳩山首相は9日、関係閣僚と対応を協議した。政府として和解協議に応じる方針を確認し、今後、さらに調整を続けることになった。」
「政府は、札幌地裁の次回期日である5月14日までに、正式に方針を表明する見通し。」
 政府の担当6閣僚は、面談を求める原告らの再三の要請をすべて断り続けています。
 協議入りをすべきことは明らかであり、今求められているのは、早期解決のための解決枠組みへの作業であり、原告団・弁護団との協議を具体的に積み重ねること以外には考えられません。
 3月12日の札幌地裁の和解勧告後すでに2ヶ月が経過し、2名の原告の尊い命が奪われました。
 政府が煮え切らない態度をとり続ける間に、被害者は謝罪を聞くことなく、次々に亡くなっています。この調子なら、和解協議に入っても、のらりくらりで進展は期待できません。
 6閣僚は、原告の声も聞かず、いったい何を協議しているのでしょうか。
 官僚が作成したペーパーを、ああでもない、こうでもないと「協議」しているのでは、とうてい「政治主導」でもなく、「国民の理解」は得られないでしょう。
 国が40年間にわたる回し打ちの加害行為を続けたこと、その後も20年以上にわたって、被害者を放置し続けたこと、この真実を国民に説明し、回し打ちをして危険にさらし続けた国民全員に謝罪しない限り、国民の納得のいく解決はできないでしょう。
 政権交代がなされたにもかかわらず、国の加害行為をうやむやにしたまま、財源問題で悩んでみせるというのは、野党時代の民主党が批判してきた政権与党の姿、ひいては官僚主導そのものではないでしょうか。
 それを本当に国民のための活動だと考えているのだとすれば、だれもそのような政府を信頼しないでしょう。

大阪地裁でも和解勧告(2010.4.23)

 2010年4月23日13:30から、大阪地方裁判所は、B型肝炎大阪訴訟につき、口頭で以下のように述べ、和解を勧告しました。
「本件の事案の内容に鑑みると早期解決が望ましい。他地裁の同種事案においても和解勧告がなされている。本件についても当裁判所としては和解による解決が望ましいと考えている。今後,原告及び被告において和解による解決が可能かどうかについて双方の意見を伺いたい。双方の意見の聴取の日程については進行協議で定める。」そして、その後の進行協議において、次回期日が6月2日14:00に指定されました。
 これは、札幌地裁(3月12日)、福岡地裁(3月26日)につづいて3件目の和解勧告と言うことになります。
 B型肝炎訴訟は、すでに最高裁判決があるため、予防接種の回し打ちに関する国の法的責任は確定しています。
 全国で、国の法的責任に基づく賠償義務の存在は共通の認識となっています。
 しかし、国は未だに和解のテーブルに着くことを示さず、原告の声を聞く大臣面談すら拒否し続けています。
 3月12日の和解勧告後に、福岡では1名の原告が亡くなりました。
 3月26日の和解勧告後に、大阪で1名の原告が亡くなりました。
 国が責任をとらず、患者を放置し続けているうちに、被害者の命は失われています。
 せめて、被害者の命のあるうちに全員に謝罪すべきではないでしょうか。
 「命を守る」鳩山政権が、何をどう協議しているのかは、原稿団・弁護団には全く知らされないまま、まもなく2ヶ月になろうとしています。解決の引き延ばしでしかないような回答はとうてい許されないものというべきです。

全国B型肝炎訴訟・大阪訴訟での和解勧告についての声明(2010.4.23)

                  全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団

 本日、大阪地方裁判所は、全国B型肝炎訴訟大阪訴訟の弁論期日において、本件は和解による解決が望ましいとの意見を表明し、事実上の和解勧告を行いました。
この和解勧告は、本年3月12日の札幌地方裁判所、同月26日の福岡地方裁判所に続いての全国で3番目の和解勧告となるものです。
大阪地方裁判所は、「本件の事案の内容に鑑みると早期解決が望ましい。」と述べ、平成18年最高裁判決により国の責任が明らかにされていることを前提として、被害者を一刻も早く救済すべきであるとの立場から、和解による解決を求めたものです。私たちは、大阪地方裁判所の今回の姿勢を高く評価するものです。
これまで、全国で10名の原告が亡くなっています。現に病状重篤な原告も多数おり、本件の解決にはまさに一刻の猶予も許されません。
私たち全国原告団、弁護団は、これまで2度にわたって、和解による早期解決を求めて、鳩山首相ほか関係閣僚との面談を求めてきました。残念ながら面談はまだ実現しておらず、私たちはこの関係閣僚の対応に強く抗議するものですが、今回、大阪地方裁判所が和解を勧告したことで、本件はまさに和解による解決以外にはあり得ないことが一層明らかとなったものです。
私たちは、被告国が、これらの和解勧告を受け入れ、B型肝炎訴訟を全面的に解決する方向に姿勢を転換し、一日でも早く和解を実現させること、そして、そのために、原告・弁護団との協議をただちに開始することを改めて強く求めるものです。

首相官邸前抗議行動(2010.4.21)

 2010年4月21日、10:00から、日比谷公園カモメの広場において、全国B型肝炎訴訟原告団の座りこみ抗議行動を開始しました。
 14:00から、首相官邸前で、抗議行動を行いました。薬害肝炎訴訟の時に、首相官邸前抗議行動で激励に訪れた仙谷大臣は、現在、内閣府内と、首相官邸内にオフィスを構えていますが、原告らと会うどころか、原告団・弁護団を無視した官僚主導の政府内協議を進めています。
九州からはるばる夜行バスで駆け付けた支援の学生さんを中心としたパネルによる抗議行動も行われました。
 責任ある回答ができないから面談できないという論理は、野党時代の民主党議員の考え方を全否定するもので、その矛盾は誰の目にも明らかになっています。
 また、原告らの声も聞かない官僚主導での政府内密室協議で「責任ある回答」が生まれるのか、原告らは疑問を持っています。
 余命をあと2年と宣告されている肝ガン被害者を何ヶ月も放置する民主党の対応は、5月14日の回答のハードルを自ら高くしています。もはや5月14日には、その場しのぎのような回答では、原告は納得しないところまで来てしまったと言わざるをえないでしょう。
 全国から集まった、原告・弁護団の数は2日間でのべ140名に及びました。
 原告団代表の谷口さんは、さらに5月11,12日に再び全国から原告が結集することを告げ、厚生労働大臣への面談と、政府内での協議内容の説明を求める文書を厚生労働省に提出しました。

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自民党総裁談話、座りこみ第2波(2010.4.20)

 2010年4月20日11:00より、全国から集まったB型肝炎訴訟原告団・弁護団は、日比谷公園のカモメの広場において、政府に対し、早期に和解すること、および担当閣僚が、原告の声を聞くために面談することを求めて、抗議の座り込みを行いました。
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11:30から、自民党本部4階において、原告団・弁護団と、自民党谷垣禎一総裁との面談が実現しました。


P1010991.jpg大村秀章議員のご尽力により、谷垣総裁より、別紙の通りの談話が公表されました。


P1020108.jpg「現在行われているB型肝炎訴訟について、政府が和解に向けて早急に協議に応じることとし、適切な解決策と救済策を講じるべきと考えます。
 鳩山総理はじめ政府においては、いつまでも『政府部内で総合的に検討する』というような官僚的な答弁に終始し、問題を先送りするのではなく、和解に向けて具体的協議開始の決定を強く求めるものであります。」とされています。



P1020013.jpg国会でも、午後1時から、参議院の厚生労働委員会において、自民党の丸川珠代議員から、B型肝炎訴訟に関する質問がなされました。

丸川議員は、2007年3月28日の衆議院厚生労働委員会での、薬害肝炎問題で政府を追及する民主党山井政務官の以下の質問を引用しました。
「私は、国会議員として恥ずかしくて仕方がありません。もっとも苦しい立場におかれている肝炎の方々本人が、自分の健康を顧みず座り込みをしないと、大臣が会いもしない。」
「患者の方、原告の方には時間がないんですよ。もう、今日、明日、がんが発症するんじゃないか、もう余命1年、2年じゃないか、みんなそういうことにおびえておられながらやっておられるんですよ。」
 そして、丸川議員は、「そこに座ったとたんに言うことが180度変わるんですか。何が政治主導ですか。」と厳しく詰め寄りましたが、長妻厚生労働大臣の回答は、全く変化がありませんでした。
 午後2時40分から、同じく日本共産党の小池晃議員からも、「省内で検討しているというA案、B案、C案の中身は全く明らかになっていない。これは密室で官僚と一緒に検討して答えが出るんですか。責任ある対応ができないから会わないと言うけれども、原告団・弁護団に話を聞くと言うことをやって初めて責任ある対応ができるんじゃないですか。」「国民は何のためにあなた達に政権を渡したんですか。野党の時だったら、真っ先にあなた達駆け付けて会いなさいと言っていたじゃないですか。こんな冷たい官僚的な対応をするために政権交代したんじゃないですよ。」という厳しい追及がなされました。しかし、長妻厚生労働大臣の回答は、全く変化がありませんでした。
 午後3時すぎ、民主党から、座り込みのテントのところに、民主党の細野豪志議員、福田衣理子議員ら4名が訪れました。
 しかし、座り込みをしていた原告は、和解協議にも入らない、面談もしない民主党の対応に対して、静かに、しかし厳しく追及して、騒然とした雰囲気になりました。
 午後5時15分からは、自民党の加藤勝信議員を先頭にして、日比谷公園から銀座を通り、東京駅まで約1時間、抗議のデモ行進を行いました。

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全国の原告が厚生労働省前で座り込み(2010.4.6)

座り込み1日目(2010.4.6)
 4月6日11時から、厚生労働省向かいの日比谷公園カモメ広場で、全国B型肝炎訴訟原告団が、座り込みを開始しました。
 3月12日と26日に、札幌地裁と福岡地裁で和解勧告が出されたにもかかわらず、国は和解協議に入る意向を示しておらず、原告らの面談要請すら拒否し続けています。
 「国は早急に和解に応じよ、大臣は原告と面談して被害に耳を傾けよ」という原告団代表の谷口三枝子さんのあいさつで、座り込みが始まりました。
 薬害肝炎訴訟東京原告団代表の浅倉さん、日肝協や原爆症訴訟の原告などからも、連帯のご挨拶を頂きました。
 この日は、共産党の高橋千鶴子議員、みんなの党の川田龍平議員、民主党の福田衣理子議員、柚木道義議員、松木けんこう議員から応援の演説を頂きました。
高橋議員は、「先週の金曜日の私の国会質問で、長妻大臣は、『財源の問題ありきではない』との答弁をしている。そうである以上、直ちに協議に入って、その中で検討すべきだ。」と和解協議に入らない政府の対応を批判しました。
川田議員は、「舛添大臣でさえ、薬害肝炎の時に和解勧告後原告と面会している。今の大臣が原告と会おうともしないのは、自民党政権より後退している。」と面談すらしない政府の対応を批判しました。
福田議員は、「私もここで座り込みをした経験があり胸が痛い。訴訟が一日も早く解決するよう精一杯やっていきたい」と決意を述べました。
 日差しが厳しい中で、原告、弁護団、支援者約70名が参加しました。
 東京の全テレビ局、主な新聞社のすべてが取材に来ていました。
 昭和23年から40年間、全国民に対して予防接種の回し打ちを行い、甚大な感染症被害を引き起こしてきた国の行為は、決して人ごとではありません。
 新政権は、責任ある迅速な対応をすべきであり、体調の悪い患者を何度も全国から引っ張り出すような行為を繰り返すべきではありません。政府の問題解決能力が厳しく問われています。

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座り込み2日目(2010.4.7)
 前日に引き続き、全国から集まったB型肝炎訴訟の原告団、弁護団、支援約70名は、厚生労働省前で座り込み行動を行いました。
 前日とはうってかわって、10度前後の寒空の上、小雨の降る悪天候に、貼るカイロなどで身を守りながらの座り込みとなりました。
 午前中、内閣府まで行進して首相宛解決を求める請願書と、仙谷大臣宛面談要請書を提出しました。
 午後、厚生労働大臣に対して、和解協議に入らないこと、面談を行わないことに対する抗議文を提出し、さらに重ねて速やかに和解による解決と面会を求めました。
 自民党の大村秀章議員は、午前中の国会質問で、B型肝炎訴訟の問題について、長妻厚生労働大臣にたいし、和解協議にはいるかどうかの検討が進んでいないではないかという追及を行い、山井政務官に対して、野党時代の、B型肝炎訴訟は、和解によって解決すべきだという考えに変わりはないのか、という点について追及しました。また、午後には、座り込みをする原告らに激励に訪れ、「民主党は、野党の時には被害者の声を聞け、原告と面談せよと言っていたのに、自分が責任者になると会おうともしない。薬害肝炎の時には、自民党サイドからもいろいろ面談に努力してきたのに、民主党にはそういう姿勢すらなく不誠実だ。」と厳しく民主党の態度を批判しました。
 共産党の小池晃議員も激励に訪れ、「命を守るという鳩山政権は、命に向き合おうともしていない。協議に入るように求めているだけの和解勧告に、なぜする応じると言えないのか、直ちに和解のテーブルに着くべきだ。」と政府の対応を批判しました。
 結局、面会は実現しませんでしたが、原告らは、さらに面会と和解協議にはいることを求めて、4月20,21日に東京に集結することを確認して、第一段の座り込み行動を終えました。

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B型肝炎九州訴訟の和解勧告に関する声明(2010.3.26)

                   全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団

 本日、福岡地方裁判所は、B型肝炎九州訴訟について、和解を勧告しました。
福岡地裁は、従前より、和解による解決を示唆していましたが、本日、3月12日の札幌地裁につづいて正式に和解を勧告したものです。
これまで福岡地裁は、原告らの被害ランク別(慢性肝炎、肝硬変、肝ガン、死亡、無症候性キャリア)の代表者による原告本人尋問を終えたうえで、進行協議の中で原告被告双方の意見を聴取しながら、本件訴訟における主要な争点について整理を行ってきました。
今回の和解勧告は、福岡地裁も、札幌地裁と同様、最高裁判決で確定している国の責任を前提として、被害者を速やかに救済すべきであるとの立場に立って、和解を勧める姿勢を明らかにしたものとして歓迎します。
本訴訟が提起されてまもなく2年になります。この間、すでに九州訴訟で4名、全国で9名の原告が亡くなっています。現に病状重篤な原告も多数います。本件の解決には一刻の猶予も許されません。
「いのちを守る」と鳩山首相は何度も国会で演説しています。国の加害行為によって奪われようとしている原告らの命を放置することは絶対に許されません。
私たちは、被告国が、ただちに今回の和解勧告を受け入れること、そのために、まず首相をはじめ担当閣僚が原告と面会してその被害に耳を傾けること、原告・弁護団との協議をただちに開始することを強く求めます。

2010年3月26日

【和解勧告】

1 当裁判所は、本件訴訟につき和解を勧告する。

2 当事者双方は、次回期日(平成22年5月17日)を目処に、救済の対象、救済範囲に含めるか否かの認定基準及び原告らの症状の各段階ごとの具体的な救済方法について、和解協議に入ることができるかにつき検討されたい。

3 当事者双方が、和解協議に入ることができるとの結論に達した場合には、次回以降、前項の具体的内容等について、協議を進めることとしたい。

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B型肝炎訴訟全国いっせい提訴(2010.3.24)

 2010年3月24日、B型肝炎訴訟の全国いっせい提訴が行われました。
 九州訴訟では、11名の追加提訴を行いました。いずれも詳細は下記の通りです。
 九州訴訟では、2人の原告が実名を公表しました。
 36歳の冨田圭一さん(福岡市在住)は、高校3年生の時に行った献血の際に、B型肝炎ウイルスに感染していることを知りました。
 通知がくる3日前に、テレビドラマでB型肝炎のことを取り上げていました。そのドラマでは、B型肝炎患者を助けようとした医師が、患者の血を浴びて劇症肝炎になり、生死をさまようという内容でした。自分が感染していると聞いて、死ぬのかなと思いました。
 自覚症状は出ていませんが、今年の2月には、検査の結果、慢性肝炎を発症していると言われました。
 冨田さんは、今年、ホームページを見て、家族で自分だけが感染していることから、自分の感染原因が予防接種の回し打ちにあることを知りました。
 「国の責任として、私の血をきれいにしてほしい。」と訴えました。
 51歳の井上和夫さん(田川市在住)は、30歳の時に受けた胆石の手術の際に、B型肝炎に感染していることを伝えられました。そして、40歳の時に、肝炎を発症して3ヶ月入院しました。だるい上、手が人に見せられないほど黄色くなる黄疸が出ます。それ以後、毎年入退院を繰り返しています。
 井上さんは、昨年夏にテレビ報道を見て、自分の感染原因が予防接種の回し打ちにあることを知りました。
 井上さんは、「国は、健康な体に戻してほしい。きちんと直る薬を開発して直してほしい。」と訴えました。

第1 九州訴訟第9次提訴の概要
 1 原告、被害者
 原告は11名(男性5名、女性6名)。
 被害者も同じ。うち3名は、2次感染の子ども。
 2 原告(被害者)年齢
 10代1名、20代2名、30代1名、40代1名、50代6名
 3 原告居住地 福岡県7名、長崎県1名、山口県1名、沖縄県1名、他1名
 4 肝炎のステージと請求額
   合計 4億1250万円
     無症候性キャリア 1650万円  1名
     慢性肝炎     3300万円  7名
     肝硬変・肝ガン  5500万円  3名
 5 全体の原告数
今日、福岡で11名の原告が提訴したため、福岡地裁における九州訴訟の原告は合計133名に(被害者数124名)。
* 九州訴訟の現状(2010.3.24提訴後時点)
請求金額合計:47億5200万円
被害者のステージ:無症候性キャリア 14名、慢性肝炎 73名、肝硬変・肝ガン 27名、死亡 10名(遺族19名)
原告居住地:福岡92名、佐賀9名、大分4名、熊本3名、長崎5名、鹿児島6名、宮崎1名、山口6名、沖縄1名、その他6名
第2 2010.3.24 全国いっせい提訴状況
 1 今回の提訴前
 全国10地裁、原告数383名(被害者数373名)
札幌57名、東京47名(被害者46名)、新潟10名、金沢4名、静岡14名、大阪64名、広島51名、鳥取8名、松江6名、福岡122名(被害者113名)
 2 今回の提訴後
 今回の全国提訴は、以下の通り。
 札幌5名、東京2名、新潟6名、金沢3名、大阪3名、広島6名、福岡11名の7地裁36名が提訴。
 今回の提訴により、全国の原告総数は、10地裁で419(被害者数409名)になった。
 無症候性キャリア 67+9 慢性肝炎 227+19 肝硬変・肝ガン64+8 死亡 15 (被害者数409)

第9回口頭弁論期日(2010.03.09)

 本日13:30、九州訴訟の第9回口頭弁論期日が開かれました。
 弁護団から、落合弁護士を中心とした3名の弁護士(柳弁護士、木村弁護士)で、国が主張している、「被害者の共通被害を考えると、人によって異なる要素
を全部排除しないといけないから、『ウイルスへの感染』と、『肝炎の発症』ぐらいしか残らず、闘病生活すら含まれない」という内容に対する反論を行いまし
た。意見陳述をされたり、法廷で証言された原告の皆さんの被害から、そのような単純化が絶対に許されないことを明らかにしました。

 また、迫田学弁護士から、提訴後に亡くなられた原告34番さんの被害が語られました。平成16年に、突然具合が悪くなりました。肝硬変による食道静脈瘤破裂の発症でした。突然、死を突きつけられ、抗ウイルス薬を投与されましたが、肝ガンを発症しました。あるべき人生を変えさせられ、家族にも迷惑をかけざるを得なくなる悔しさやふがいなさを訴えてほしいと、弁護士に託していました。「私はもう長くは生きられないでしょう。一刻も早く解決して頂かなければ、どんなによい解決も私には意味のないことです。」と語った数日後、息を引き取られました。
 B型肝炎訴訟の早期解決の必要性を十分にアピールできたのではないかと思います。
 今日は、天気も悪く、3月とは思えないほど寒かったのですが、なんとか傍聴席が満杯になりました。傍聴支援に足を運んで下さった皆様、どうもありがとうございました。
 3月14日12:00からの天神旧岩田屋前での街頭宣伝行動へも、是非ご参加下さい(報告集会の席で、ここでなされる学生さんたちの出し物も披露されていました)。
 なお、署名の送付先は、819-0002 福岡市西区姪の浜4-8-2姪浜デイトス3F 武藤糾明です。よろしくお願いいたします。

意見陳述落合弁護士
意見陳述迫田学弁護士

訴訟の早期全面解決を求める署名用紙

訴訟解決に向けた内閣、首相の動き(2010.3.2)

 2010年3月1日夕方の日本テレビのニュースで、全国B型肝炎訴訟について、長妻厚労相は1日、今週にも関係閣僚で患者らへの対応を協議する考えを示したと報道されました。

 B型肝炎北海道訴訟で、3月12日に和解勧告が出される見通しなので、これを前に、長妻厚労相は1日、鳩山首相の元を訪れ、和解をめぐり協議したものとみられるそうです。

 他方で、先月28日には菅財務相が鳩山首相と会談しているが、患者全員を救済するには膨大な費用がかかるため、菅財務相は和解には慎重な姿勢を示しているとも報道されています。

 しかしながら、国が「感染症を予防しましょう」と呼びかけ、これを信じて、健康であるために打った予防接種の回し打ちにより、何の落ち度もない被害者がB型肝炎にかかった事件です。

 被害者の中には、肝ガンで余命を宣告されたり、亡くなった人が出ているのに、費用を理由にしてさらに解決を引き延ばすことは許されるはずがありません。

 「命を守る」鳩山首相、民主党政権の政策の根幹に関わる事項として、毅然とした解決が求められています。

 また、2010年3月2日の北海道新聞には、「B型肝炎訴訟に首相『高い関心』」と題する記事があります。

 この記事によると、3月1日、鳩山由紀夫首相は、全国B型肝炎訴訟について「命を守るという立場からB型肝炎に対してもたいへん高い関心を持っている。」「訴訟がどのようになっていくか必ずしも見えていない段階なので、それ(訴訟の行方)を待ってから内閣としても(対応を)検討していこうと考えている」と語ったそうです。

 通常国会の冒頭でも繰り返し述べられた「命を守る」という鳩山首相の重要な関心事項であることが明確になり、B型肝炎訴訟解決への機運が高まっています。

 裁判所による所見が出されれば、全国383名の原告ら、ひいてはすべての被害者の早期解決に近づきます。
 3月12日の北海道訴訟が注目されます。

B型肝炎北海道訴訟で、裁判長が和解を望む発言(2010.1.29)

 2010年1月29日10:00から、B型肝炎北海道訴訟の口頭弁論期日が、札幌地方裁判所で開かれました。その後、10:30から行われた進行協議期日において、中山幾次郎裁判長より、「本件は、和解での解決が望ましいと考えています。」という発言がありました。

 北海道訴訟においては、昨年秋から、和解に対する意見等を、当事者双方から聴き取る手続きが進行協議期日において数回行われていました。しかし、今回、争点整理が進んでいる北海道訴訟において、B型肝炎訴訟の解決が和解でなされることが望ましいという考えが明確に示されたことは、裁判長の、本件訴訟に対する和解への強い意欲が示されたものといえ、弁護団は、早期解決に向けた大きな前進だと受け止めています。


北海道訴訟の次回期日は、3月12日10:00ですが、ここで、和解に向けた大きな進展があり得る情勢になりました。

 全国原告弁護団は、一刻も早い早期解決のために努力しますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。
 なお、この期日において、札幌市内の42歳の女性会社員の匿名原告は、急性虫垂炎のための入院時、20代前半の時にB型肝炎のキャリアであることが分かり、そのことをうっかり漏らしたため、会社で居づらくなり、退職を余儀なくされました。出産の際にも特別扱いを受け、つらい思いをされました。4年前には肝炎を発症し、肝硬変の手前まで進んでいる思い状態だとわかり、将来の不安と絶望感から、幼い子供を前に涙が止まりませんでした。国は被害を放置しないでほしいと訴えました。

B型肝炎九州訴訟第8回期日(2010.01.26)

 2010年1月26日15:00から、福岡地方裁判所で、B型肝炎九州訴訟第8回期日が開かれました。

 匿名原告の111番さんは、35歳の時に、突然背中の当たりに変な汗をかくようになり、とてもだるくなりました。病院へ行くと、肝機能数値が2000で、「このままだったら死ぬよ。」と医師から言われ、緊急入院しました。

 その後も落ち着いたり、肝炎がまたぶり返したりという生活になり、医師からは入院を勧められることもありますが、自営業のため、なかなか入院することもできません。ゼフィックスを初めとする抗ウイルス薬のほとんどに耐性ができてしまい、いまは最後の砦であるバラクルードに頼っています。この薬が効かなくなると、もう後がないので、将来が不安です。「私たちが被害の声が上げられるうちに、国は一刻も早く解決して下さい。」と訴えました。

 池永修弁護士は、被告国が、原告らのカルテの文書提出命令を申し立てていることの不当性を訴えました。個別の被害と関連性のない、証拠あさりとしか言いようのない不当な申立が、訴訟の引き延ばし以外の何ものでもないことを厳しく指摘しました。

 小宮和彦弁護団長は、昨年11月に成立した肝炎対策基本法に、集団予防接種における注射器の連続使用によるB型肝炎被害について、国に責任のあることが明記されたことは、司法府と立法府が、予防接種禍によるB型肝炎被害を共通して指摘していることになり、行政府としての厚生労働省は、直ちに本件の解決を図るべきであると指摘しました。にもかかわらず、国がいつまでたっても最高裁判決で決着済みの因果関係論を蒸し返し訴訟遅延を図るのは、責任を果たすべき患者が亡くなって少なくなるのを待っているのに等しく、断じて許されるものではないと述べました。その上で、裁判所による和解解決を求めました。

寒い時期の上、いつも何十人も来てもらえる学生さんたちが、学部試験のため出席が少なかったのですが、たくさんの支援の方々に傍聴頂き、傍聴席が満員になりました。どうもありがとうございました。

 スモンの会の草場さんは、報告集会の席で、国によるカルテの文書提出命令は、「40年前のスモン訴訟の時の亡霊を見るようです。裁判がずるずると何年も引き延ばされるから、絶対に許してはいけません。」とご経験を伝えて下さり、原告弁護団とも身の引き締まる思いでした。

B型肝炎訴訟の全面解決を求める声明(2009/11/30)

-肝炎対策基本法の成立に際して-

B型肝炎九州訴訟 原告団・弁護団

1 本日,肝炎対策基本法(以下「基本法」という)が成立した。
B型肝炎訴訟原告団・弁護団は、薬害肝炎全国原告団・弁護団、日本肝臓病患者団体協議会とともに、基本法の早期の成立を求めてきた。B型肝炎及びC型肝炎の感染拡大につき国の責任を明記したうえで、肝炎対策を全国的、恒久的に行うことを定めた基本法が成立したことは、肝炎問題解決への一歩前進として評価するものである。
国は、この基本法に定められた「責任」に基づき、早急に医療費補助や生活支援などの具体的な肝炎対策を実現しなければならない。

2 しかしながら,同法が成立しても肝炎問題が解決したとは到底言えない。
 すなわち、国は、これまで、最高裁原告以外の予防接種禍によるB型肝炎被害者については責任を認めず、何らの被害回復措置も講じなかった。このため、やむなく現在351名の予防接種禍によるB型肝炎被害者が、償いを求めて全国10地裁において全国B型肝炎訴訟を提起し、闘っている。これに対し、国は最高裁判決で解決済みの争点すら蒸し返し、いたずらに解決を引き延ばしている。かかる国の対応は断じて許されるものではない。
深刻な被害を抱えるB型肝炎被害者たちの被害回復が一刻の猶予も許されない状況にあることは明白である。国はすみやかに法的責任に基づく被害回復措置を履行しなければならない。
この点、基本法は、B型肝炎について,集団予防接種の際の注射器の連続使用による感染が国の責任であることを明記したものの、一般的な肝炎対策を定めるにとどまり、責任の履行としてまず第一になすべき被害回復措置については定めを欠いている。
よって、B型肝炎訴訟原告団・弁護団は、国の責任を明記した基本法の成立に際して、国に対し、すみやかにその責任の履行として以下の事項をなすことを要求するものである。

(1) 国は、予防接種禍によるB型肝炎被害者であるすべての全国B型肝炎訴訟原告及び未提訴の被害者に対して、その責任を認めて謝罪するとともにすみやかに被害回復措置を講じること

(2) そのために、国は、早急に全国B型肝炎訴訟における応訴態度を改め和解協議に応じ、被害者すべてを救済する内容の和解を成立させ、あるいは法律(救済法)を制定することにより、肝炎問題の全面解決を図ること

以上

B型肝炎九州訴訟第7次提訴(2009.10.2)

 2009年10月2日15:00に、福岡地方裁判所にB型肝炎九州訴訟の第7次提訴をしました。
 今回提訴された原告は6名でした。その中で実名公表された河野猛さんは、建築設計設備の仕事に従事され、1998年には法人化して、福岡県内のマンション建設などに関与してこられました。従業員は6名、外注の従業員も入れると、従業員は約40名でした。
 事業が順調だった2003年、河野さんは、急に体がだるくなりました。病院に担ぎ込まれるようにして診察を受けた河野さんは、B型肝炎を発症していると言われ、入院することになりました。
 その後も、2~3ヶ月の入院を繰り返し、退院しても毎日点滴を受けに行く生活となり、闘病生活と肝炎による体調不良のため、仕事に時間を割くことができなくなってしまいました。
 2006年には、事業は事実上活動を停止し、2008年に閉鎖に追い込まれました。
河野さんは、「最高裁判決で国の責任が明らかになっているのに、被害者を放置し続ける国は許せない。同じ立場の全国の患者と一緒に闘いたい。」と訴えました。
 なお、この日、全国いっせい提訴が行われたため、全国で21名の原告が提訴しました。
 この結果、全国のB型肝炎訴訟の原告は、合計351名になりました。
詳細は、以下の通りです。

九州訴訟第6次提訴の概要
1 原告、被害者 原告は6名(男性3名、女性3名)。
2 原告(被害者)年齢
 30代2名、40代2名、50代1名、60代1名
3 原告居住地 福岡県4名、長崎県1名、鹿児島県1名
4 肝炎のステージと請求額
 合計 2億0350万円
 無症候性キャリア 1650万円  1名
 慢性肝炎     3300万円  4名
 肝硬変      5500万円  1名
5 全体の原告数
 今日、福岡で6名の原告が提訴したため、福岡地裁における九州訴訟の原告は合計116名に(被害者数107名)。
* 九州訴訟の現状(2009.10.2提訴後時点)
請求金額合計:41億9100万円
被害者のステージ:無症候性キャリア 10名
         慢性肝炎 63名
         肝硬変・肝ガン 24名
         死亡 10名(遺族19名)
原告居住地:福岡81名、佐賀8名、大分4名、熊本3名、長崎4名、鹿児島6名、宮崎1名、山口5名、その他4名

全国いっせい提訴状況

1 今回の提訴前
 全国10地裁、原告数330名(被害者数320名)
 札幌52名、東京42名(被害者41名)、新潟7名、金沢4名、静岡14名、大阪40名、広島47名、鳥取8名、松江6名、福岡110名(被害者101名)
2 今回の提訴後
 今回の全国提訴は、以下の通り。
 札幌3名、東京4名、大阪8名、福岡6名の4地裁21名が提訴。
 今回の提訴により、全国の原告総数は、10地裁で351名(被害者数341名)になった。

ORANGE☆SUPPORT(学生支援の会)によるシンポジウム(2009.9.19)

4fbff52a-s.jpg2009年9月19日14:00から、あいれふ10階講堂で、ORANGE☆SUPPORT(B型肝炎訴訟を支援する学生の会)による、シンポジウム「小さな叫びを大きな力に ~知ることからはじめよう~ B型肝炎患者の早期救済に向けて」が開催されました。
 参加者は約100名でした。
 B型肝炎訴訟のシンボルカラーであるオレンジ色の地に、注射器のイラストがついたTシャツを着た学生さん達が、発表しました。
 最初に、B型肝炎について、パワーポイントを用いての説明が行われました。担当した西南学院大学3年生の河村君は、医学書を自分で購入して、専門的な内容を、わかりやすく解説しました。
 次に、2006年のB型肝炎訴訟最高裁判決について、会長の九州大学2年生の吉井さんからパワーポイントを用いての説明が行われました。
 2人とも、短期間でよくまとめられていました。

 次に、九州訴訟原告からの被害聴き取りに基づく紙芝居が行われました。
 これは、福岡大学の田中さんが絵を描き、西南学院大学の村崎さんや河村君が、台本を作成したものです。
 シンポ直前3日間ほどの台本の手直しで、内容がどんどんよくなっていきました。
 セリフも、担当した学生さん達が気持ちを込めて読んでくれたので、聴衆は引き込まれていました。
 モデルとなった原告の合原さんはもちろん、その気持ちがよく分かる多くの原告の方達も涙を流していました。
 最後に、全国訴訟の目的の説明と、現在進行している裁判の争点についてのディベート風の紹介がなされました。
 これは、西南学院大学3年の福浦さんが中心となってまとめられたものです。
 こちらのシナリオも、直前の4日間ほどでの大幅な修正により、一気にわかりやすくなっていました。
 弁護士側は堂々と、国の代理人側はのらりくらりとそれぞれ主張して、学生弁護団は、次々と国を論破していきました。
 原告からは、「本物の弁護士のようで頼もしかった。」とか、「弁護団の説明よりわかりやすかった。」という意見まで出て好評でした。
 最後に、西南学院大学1年生の三苫君が、来場した方達へ、裁判傍聴を呼びかけました。
 学生の皆さん大変お疲れさまでした。
 打ち上げの席で福浦さんも言っておられましたが、このシンポで終わりということではなく、これからも、ぜひいろいろな場所で再演して頂くなどのご支援をお願いしたいと思います。

B型肝炎訴訟を支援する学生の会発足!


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支援 九州大学 吉井 華子

雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ、夏ノ暑サニモ負ケズ・・・
ニュースレターに載せたいので、何字でもいいので書いてください。とのことから(〆切当日に慌てて)緊張しつつ書いています。
私は、B型肝炎訴訟学生支援会の代表になりました、九州大学法学部の吉井と申します。
B型肝炎訴訟の支援に携わるきっかけは友人の一声でした。高校からの友人であるその人は、授業の一環でB・C型肝炎訴訟のことを聞き、興味を持ったそうです。B型肝炎訴訟の支援連絡会に行きたいが、一人ではなんだか心細い。そうだ、彼女を誘おうというわけで私が彼女の同伴者として誘われたのです。入学して1か月経ったが、これから自分は何をしていけばいいのかとぼんやり考えていた私は、「とりあえず行ってみるか」という軽い気持ちのもと、支援連絡会・裁判傍聴に足を運び始めました。あまり支援らしい支援を1年間できてはいませんでしたが、原告の方々とお話し、裁判を聞いていく中で、国が今まで必要な処置を全く行っていなかったこと・最高裁で否定されたことを未だ主張し続けていることに疑問や悲しさ、怒りといったものを感じています。
学生の立場から何ができるか?これから考えるべきことは数多くあります。それでも、今後も支援に関わり、B型肝炎問題解決まで少しでもお役に立てればと考えています。
短く拙い文章ではありますが、これで筆を置かせていただきます。

支援 西南学院大学 河村 遼

B型肝炎訴訟を支援する学生の会の多くのメンバーは、原告の方からの訴えや願いを直接聞いて、支援活動をしようと決意しました。血液を介したウイルス性肝炎感染の危険性が戦前から指摘されていたにもかかわらず、国はこれを軽視して、集団予防接種に使用する注射を1人1人取り替えるよう指示することなく放置し続けました。その結果、B型肝炎感染の被害を拡大させることとなりました。それにもかかわらず、国はその責任をとろうともせずむしろ患者を切り捨てようとしています。このような国の無責任な態度は許せないという原告の訴えと、早急に安心してB型肝炎の治療を受けられるように、恒久的な治療体制を確立したいという原告の願いを私たちは聞きました。そして、多くのメンバーが原告の支援をするにあたって自分たちにも何かできることは無いかと考え、B型肝炎訴訟を支援する学生の会が、発足するに至りました。現在、学生支援の会は、九州大学の吉井華子さんを中心に、九州大学、西南大学、福岡大学、筑紫女学園大学の約30名の学生からなって、つい先日できたばかりのまだ新しい会です。
 学生支援の会では、B型肝炎のことを多くの方に知ってもらうために、ビラ配りや、B型肝炎訴訟の原告の方が行われるゼミ回りのお手伝い、学生支援の会のメンバーによるB型肝炎問題の発表や九州訴訟の原告の方からお話をしてもらうなどのシンポジウムの開催を、行っていく予定です。
 学生支援の会は上記のとおり、まだ新しくできたばかりで、またまだまだ規模も小さいので、多くの学生の参加を必要としております。ですので、今後も多くの学生に支援を募っていき、そしてB型肝炎訴訟の原告の方々を支援し、原告の方の願いを早急に実現できるように活動していきたいと考えています。

最高裁原告と厚生労働大臣の面会(2009.6.16)

 午後0時30分から20分間、国会内で、最高裁原告・遺族と舛添厚生労働大臣との面会が行われました。
 2006年6月16日に最高裁判決が予防接種の回しうちによるB型肝炎感染についての国の責任を認めたにもかかわらず、厚生労働大臣は、面会も謝罪も行いませんでした。
 今回の面会で、大臣は、官僚が用意した謝罪文を読み上げるだけだったため、最高裁原告の木村伸一さんは、不満をあらわにしました。
 国会で大臣面会が行われている間、厚生労働省前で、全国B型肝炎訴訟の原告が、代わる代わる被害を訴え、1日も早く国の政策被害者全員の救済を行うよう求めました。
 2008年に鳥取地裁に提訴した原告が、2009年6月10日に亡くなったため、遺族が遺影を持って「父の無念を晴らすためにも、国に動いてほしい」と訴えました。
 記者会見の席で、全国B型肝炎原告団共同代表の佐藤美好さんは、「一方では謝罪しておきながら、同じ立場の被害者を放置するのは許せない。厚生労働省は、一刻も早く不合理な訴訟での争点の蒸し返しをやめよ。」と訴えました。
 九州訴訟原告も10名が抗議行動に参加しました。

全国B型肝炎訴訟いっせい提訴(2009.6.16)

最高裁判決3周年を受け、全国8地方裁判所で、原告45名が一斉に提訴しました。金沢地方裁判所では、4名の原告が初提訴しました。全国の原告数は、10地裁、原告数330人になりました。

九州訴訟第6次提訴

2009年6月16日9時30分、福岡地方裁判所に、B型肝炎訴訟九州訴訟の第6次提訴を行いました。
9名の原告(被害者数4名)が提訴し、九州訴訟の原告数は110名(被害者数101名)になりました。
 提訴した長崎市の辻田真理子さんは、実名を公表し、被害を訴えました。
 辻田さんは、約30年前にB型肝炎ウイルスに感染していることを知り、長男の出産に際してのワクチンも効かなかったため、感染させました。次男に対しては感染させずにすみましたが、次男出産の際に自らが肝炎を発症し、わずか4年間で肝硬変になってしまいました。
 肝硬変もすすみ、食道静脈瘤の手術を受けたり、肝性脳症で意識がなくなるなどの厳しい病状と闘ってきました。
 裁判のことを知り、相談すると、長男は、「それは訴えんばさ」と励ましてくれました。辻田さんは、「母子感染を起こした長男が、将来自分のような症状になるのではないか、そのときにきちんと治療を受けられるよう、国が責任に基づいて治療費を助成し、特効薬の開発を行ってほしい」と訴えました。

<九州訴訟第6次提訴の概要>

 1 原告、被害者
    原告は9名(男性1名、女性8名)。
    被害者は4名(男性3名、女性1名)。
    死亡被害者3名(男性)に対する遺族は
    8名(配偶者3名、子4名、親1名)で、
    被害者数より原告が5名多くなる。
 2 生存被害者年齢
    50代 1名
    (死亡者の死亡時年齢は、40代 2名、50代1名。
     死亡時平均年齢50.3歳)
 3 原告年齢
    20代4名、40代1名、50代3名、80代1名(平均年齢 43.4歳)
 4 原告居住地 福岡県8名、長崎県1名
 5 肝炎のステージと請求額
   合計 2億5300万円
     肝硬変      5500万円  1名
     死亡       6600万円  3名
 6 全体の原告数

今日、福岡で9名(被害者4名)の原告が提訴したため、
   福岡地裁における九州訴訟の原告は合計110名に(被害者数101名)。

<九州訴訟の現状(2009.6.16提訴後時点)>

 請求金額合計:39億8750万円
 被害者のステージ:無症候性キャリア 9名
          慢性肝炎    59名
          肝硬変・肝ガン 23名
          死亡      10名(遺族19名)
 原告居住地:福岡77名、佐賀8名、大分4名、熊本3名、長崎3名、
       鹿児島5名、宮崎1名、山口5名、その他4名

<2009.6.16全国いっせい提訴状況>

 1 今回の提訴前
    全国9地裁、原告数285名(被害者数280名)
    札幌45名、東京36名(被害者35名)、新潟7名、
    静岡11名、広島44名、大阪28名、
    鳥取7名、松江6名、福岡101名(被害者97名)
 2 今回の提訴後
    今回の全国提訴は、以下の通り。
    金沢地裁(新規提訴)4名
    札幌7名、東京6名、(新潟なし、)静岡3名、大阪12名、広島3名、
    鳥取1名、(松江なし、)福岡9名(被害者数4名)の
    8地裁45名(被害者数40名)が提訴。

今回の提訴により、全国の原告総数は、10地裁で330名(被害者数320名)になりました。

もう待てない!B型肝炎訴訟最高裁判決3周年集会(2009.5.27)

 2009年5月27日、東京の日本教育会館で、「もう待てない!B型肝炎訴訟最高裁判決3周年集会」が開かれました。

 2006年6月16日に最高裁判決を勝ち取った弁護団に所属し、現在の全国B型肝炎訴訟の全国弁護団長でもある北海道の佐藤哲之弁護士は、最高裁判決について「司法は役割を果たした。しかし、政府は何もしていない。原告に謝ってもいないし、実態調査さえやっていない。国は司法を無視している。」と厳しく指摘されました。最高裁判決の原告であった木村伸一さんからも、舛添厚生労働大臣が面会すると国会答弁で言いながら未だに面会しないことなど、その姿勢を正す発言がなされました。

 参加された国会議員の方々からも、口々に、一刻も早く解決されるべき問題であり、そのために尽力していくとのご発言をいただきました。

 講演された石川ひとみさんは、自らがB型肝炎患者として苦しんだ闘病生活や、心ない周囲の人達の言動による差別などによる苦痛などについて話されました。握手をしようと手をさしのべた子どもが、「病気がうつるよ。」と回りの大人に一喝されて手を引っ込め、「握手でうつったりしないから大丈夫よ。」と言っても逃げてしまったことから、一軒一軒の家を回って、「私はB型肝炎患者ですが、日常生活でうつったりすることはありません。」と説明して回りたい気持ちになったことなどが話され、参加していた原告の多くの方々が共感して涙を流されていました。
 全国で訴訟を闘っている原告らからの訴えを受け、

1 国は、直ちに、集団予防接種によりB型肝炎ウイルスに感染したすべての被害者に対し、謝罪するとともに完全な被害回復措置をとれ。

2 国は、直ちに、「肝炎患者支援法(肝炎対策基本法)」を制定し、すべてのウイルス性肝炎患者が安心して治療を受けられる恒久対策を確立せよ。

というアピール文を採択しました。

 また、最後に、弁護団から、突然のご指名を受けて、私から九州訴訟では10月までに損害立証を終えることの可能な期日が予定されていることを報告し、多くの国民が被害を知れば、自ずと解決の道が開かれると確信して、社会に被害を伝える活動に取り組もうという行動提起をして、集会を終えました。

 会場には約200名が参加し、今後の運動のための大きな第一歩となる集会となりました。 

B型肝炎九州訴訟進行協議期日のご報告(2009.5.12)

 2009年5月12日午後3時から、B型肝炎九州訴訟の進行協議期日が開かれました。
 弁護団は、101名の原告のうち、第1次提訴原告20名の中から選んだ3名の原告を、7月29日の期日で尋問の対象としたいと述べました。
 裁判長は、第2次提訴以降の原告らの原告本人尋問について、どのような立証計画を立てているのか、五月雨的に(バラバラに、不規則に、と言う意味)陳述書等が提出され、原告本人尋問自体も五月雨的になされると困る、と述べました。
 弁護団は、裁判所で、キャリア、慢性肝炎、肝硬変・肝ガン、死亡というステージごとの損害評価をしていただけるよう、それぞれ2,3名ずつの尋問を実施し、そのような代表者の尋問で裁判所に評価をお願いしたい、そのためには、原告本人尋問は年内に数回実施していただければ足りると考えている、と答えました。
 その後、7月29日の次の原告本人尋問予定期日として、10月13日(火)と、10月28日(水)の10:00~17:00が決まりました。
 さらに、この2回の期日で尋問をする対象となる原告を決める進行協議期日として、9月14日15:00が決まりました。
 この進行協議期日では、2次提訴以降の原告の中から、尋問対象者を決めることになりました。
 以上のことから、九州訴訟では、7月29日、10月13日、10月28日の3回の期日で、原告らの代表者の尋問を終える予定となりました。

 私たちは、肝硬変・肝ガンなどを発症し、一刻の猶予もならない重い患者さん達のためにも、1日も早い解決を国に求めています。
 九州訴訟の進行は、そのような原告らの思いを受け止めたものということができます。
 それに答えるためにも、陳述書の作成その他膨大な作業はありますが、弁護団も一丸となって早期解決に向けて奮闘したいと思います。
 7月29日に原告本人尋問が実施されるか否かは、7月1日の弁論期日で決まります。
 一人でも多くの方が、7月1日午後1時に、裁判所前の坂に御集合下さり、傍聴支援を頂きますよう、よろしくお願いいたします。

過去のご報告