全国B型肝炎九州訴訟第4回期日

集団予防接種の注射器の使い回しによるB型肝炎患者・感染者が国を被告として損害賠償を求めた裁判です

全国B型肝炎九州訴訟弁護団

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全国B型肝炎九州訴訟第4回期日

 2009年4月15日午後3時から、B型肝炎九州訴訟第4回期日が開かれました。
 4月に裁判長の交代があり、弁論の更新がなされました。西井和徒裁判長は、期日間に提出された書面や書証を確認したあと、「国が父子感染、ジェノタイプなど予防接種以外の感染原因を挙げている点は、ある程度可能性の高いものであるとの証明がないと、原告らに対してそれらの証拠の提出を求める必要がないと考えています。7月29日の期日には原告本人尋問を実施することも見据えて、他の原因の可能性が高いという証明を、6月3日の期日までにしていただけますか。」と国に対して求めました。国は、「7月29日までに提出できるかどうかも答えられない。」と述べたため、弁護団から、「昨年の12月の期日に出せるだけの証拠を出せと求め、今年の2月の期日までに出すことになっていたが、何も証拠が出せないまま、『すでに出している証拠だけで、因果関係に疑いを差し挟む程度のものになっている』と回答したばかりではないか。提出の締め切りはとっくにすぎているのだからそのような引き延ばしには応じられない。」と徹底抗戦しました。40分近く丁々発止のやりとりが続きましたが、最終的には、国側が6月15日までに証拠を出し尽くすことを前提に、7月1日14時から2時間の弁論期日が新たに指定されました。裁判所が、国の主張する予防接種以外の他原因論についての立証が不十分だと指摘したのは全国初で、全国の訴訟にも影響を与える可能性が大きいと考えられます。原告本人尋問の実施も見えてきました。国による訴訟の引き延ばしを許さず、迅速な被害回復へ向けて今後も取り組んでいきます。

 その後、原告と弁護団からの意見陳述を行いました。
 原告の尾崎芳文さんは、空手の国体強化選手になり、高校では花園出場を目指している高校のラグビー部にスカウトされ、1年生でレギュラーになって活躍していました。ところが、高校2年生の時にB型肝炎に感染していることが分かり、ラグビーも空手もあきらめざるを得なくなりました。専門学校に進学したあと、肝炎を発症し、インターフェロン治療を受けましたが、激しい副作用に苦しめられました。効果はなく、副作用だけの治療は長引き、普通に働き、普通に生活することができませんでした。そのような苦しみが国のせいであることを知ってもらうために、尾崎さんは実名を公表しました。

 原告の吉澤淳さんは、中学生の時に受けた歯科矯正で興味を持ち、歯科医となりました。10年間の勤務医を経て、大分で開業しました。奥さんのサポートもうけ、開業医として順調な生活をしていました。そんなとき、腹部の痛みから受けた検査で、巨大な肝臓ガンが発見されました。仕事が続けられないと悟り、痛みのある患者さんの治療を進め、歯科医院の仕事を整理しました。精密検査で4つのガンが見つかり、余命4ヶ月と宣告されました。家族の献身的なサポートで奇跡的に小康状態を得ましたが、1年後、肝ガンが再発しました。今もガンと闘っています。吉澤さんは、「危険性を知りながら無差別に不特定多数の人に時限爆弾のようなウイルスを体内に埋め込んだ国の行為は同じ医療人としてとうてい許せません。私の健康な体を返して下さい。私の誇りある仕事を返して下さい。私と同じように苦しんでいる患者に謝罪して下さい。厚生労働省は、本来誰のために何をするべきでしょうか。目を覚まして下さい。」と訴え、実名公表されました。

 池永修弁護士は、国が原告らに求めているデータの提出が無意味であるだけでなく、どれだけ無理を強いて原告を苦しめるものであるかを明らかにし、国の主張がとうてい許されないものであると訴えました。

 岩元理恵弁護士は、母子手帳のない原告が集団予防接種を受けたかどうか不明であるという国の主張が、高い予防接種率を自画自賛する厚生白書と矛盾する詭弁であることを明らかにしました。

 小宮和彦弁護団長は、注射器回しうちの危険性を国民に知らせなかった国の不作為が、被害者たちの被害への気づきを妨げ、被害自体の発覚を妨げたこと、最高裁判決にもかかわらず被害実態を何ら調査しなかったこと、本件訴訟での国の無理な主張がいかに国の役割に反するものであるかを訴えました。

 今回は、薬害肝炎訴訟の原告、支援の方々を含めた多数の傍聴支援をいただき、法廷を満員にすることができました。どうもありがとうございました。次回の弁論は7月1日14:00です。さらに力強い傍聴のご支援をよろしくお願いいたします。

意見陳述を終えての感想
(B型肝炎九州訴訟原告 吉澤淳)

2009041501.jpg 平成21年4月15日,意見陳述させていただきました。弁護士の先生方,原告団のみなさま,支援して下さるみなさま,厚くお礼を申し上げます。
 私の生活は未来まですべて一瞬にして暗転してしまったことを述べさせていただきました。
 うまく言えなかったことがありましたのでこの場をお借りします。私は遺伝子組換えの食糧,飼料に違和感を持っています。食糧難が来ても食べたくないと思っています。その私の体内で気付かぬうちにウィルスが遺伝子を書き換えているそうです。書き換えられるとともにもとには戻りません。必ず勝つと思ってガンと戦ってきた私にとってとても大きなショックだったということです。
 そして厚労省には,だれのために何をすべきか目を覚ましてほしい,裁判長には一日も早く解決して欲しいと訴えました。
 今回の裁判は,小宮先生,武藤先生と厚労省との息を飲む熱戦。相手を圧倒する場面から始まりました。その追い風に乗って私の陳述も無事終わりました。勝利を間近に感じた日でした。 
 みなさんこれからも一丸となって頑張りましょう。どうぞよろしくお願いします。
意見陳述をして

意見陳述をして
(B型肝炎九州訴訟原告 尾崎芳文)

 今回、意見陳述をさせていただき、私はB型肝炎になって、辛かったこと、悔しかったこと、自分で、抑えてきた、20年間の思いを訴えることができました。
 体を動かす事が好きで、スポーツをやめないといけなかったこと、肝炎によって、友達を避けないといけなかったこと。辛い治療を行ってきたことや、私を支えてくれた、家族の思い、私が知らなかった家族の苦労、不安、心配ごとなどいままで、自分の中で、溜めてきたこと、誰にも言え
ない気持ちが、弁護士の先生方の協力によって、伝えることができました。本当にありがとうございました。
 私は、同じ肝炎患者でも、個々に色々な思いがあり、悩みがあるとおもいます。治療法がなく、これから先の不安、他人の偏見や差別でなやむなど、病気だけではない、苦しみを知ってもらいたく、原告の一人として、肝炎に対する早期解決と救済をお願いしたく、実名公表もできました。私にとって、長年言えなかったとても大事ことでした。
 病気は時間との戦いです。これからは、肝炎患者すべての方が一日も早く安心して、治療ができるように、頑張りたいと思っています。
 私は、この訴訟で、同じ肝炎で苦しむ方と知り合いそして、たくさんの支援者の方と知り合えました。ご支援してくださる皆さん今後とも皆さんの大きなご支援よろしくお願い致します。原告の皆さん、私たち原告団は肝炎患者の代表となって、ご支援者の協力と共に頑張っていきましょう。

意見陳述を終えて
(弁護士 池永修)

 原告並びに支援の皆様、口頭弁論へのご参加とご支援、本当にお疲れ様でした。
 今回の期日から裁判官が代わったことを受け、私のほうからは、これまでに国が行ってきた主張が、いかに不当で不合理なものであるか意見を述べる機会を頂きました。国は、さしたる根拠もなく母子感染や父子感染など様々な疑いをかけ、被害者の切り捨てようとしています。そのような切り捨てが許されないのはもちろんのこと、そのような疑いをかけられること自体が生身の人間にとっては耐え難いことだと思います。意見陳述では、このような意見を率直に述べるとともに一日も早い解決を裁判所に要望しました。
 裁判官が替わり、新しい裁判官には早期解決への意欲が覗え(たような気がし)ました。一気にたたみかけて、必ず年内可決を実現しましょう。

意見陳述の感想
(弁護士 岩元理恵)

 国は,本裁判において,母子手帳のない原告については,集団予防接種を受けたかどうか分からない,と主張しています。私は,第4回期日において,国のこの主張がいかに不当なものであるかについて意見を述べました。
 従来国民は,乳幼児期に複数回の予防接種を受けることを法律により義務付けられていました。実際に原告の中には,20回近く接種した記録のある方も少なくありません。そのような予防接種をただの1度も受けていない確率は,取り上げて検討する必要もない程小さい数(1パーセント以下)にすぎません。今回はこのことを,当弁護団のパワーポイント職人である尾崎先生に協力していただき,単純明快な内容にして述べさせていただきました。
 本訴訟における国の主張は,いずれも誤魔化し,まやかしの主張です。私たちは,そのような主張に惑わされることなく,また裁判所が惑わされる事態を回避すべく,今後も適切に対処していこうと思っています。
みなさま,今後とも力を合わせて頑張っていきましょう。

裁判を傍聴して
(支援の会 西南学院大学 臼木香織)

2009041502.jpg B型肝炎の裁判を傍聴し始めたのは、大学のゼミの関係で知り合った弁護士さんに教えていただいたことがきっかけでした。
 恥ずかしながら、それまでは「B型肝炎」という言葉を知っている程度だったため、裁判に行くことになり、改めて調べてみて初めて、B型肝炎は予防注射の回しうちという怠慢な国の姿勢が原因であることなどを知りました。
 私のような普通の大学生でも、傍聴に行くと、原告の方々が「ありがとう」と喜んで下さいます。大学生の私には、そう多くのことはできませんが、裁判の傍聴に行くことで、喜んで下さる方がいて、自分が少しでも力になれていると感じることができます。
 B型肝炎の裁判を傍聴する以前は、B型肝炎のような医療に関する裁判は、なかなか身近に感じることができませんでしたが、実際に原告の方々のお話をお聞きすると、被害の深刻さに胸が痛み、国の対応の鈍さに腹立たしさを感じました。
 早期解決のために、裁判傍聴など私にできることから行動していきたいと思います。

裁判を傍聴して
(支援の会 西南学院大学 吉田彩乃)

 私は大学の勉強会でお会いした弁護士さんにB型肝炎訴訟のことを教えていただき、第三回目、四回目の口頭弁論の傍聴に参加しました。つい最近までB型肝炎について知らなかった私にも原告の方の思いは痛いほど伝わってきました。病気によって受ける差別、積み上げてき努力や、将来へ抱けるはずの夢や希望まで奪われてしまうことは想像を絶する苦しみだと思います。その中で実名を公表し法廷に立ち、まっすぐに闘う姿に感動しました。
 多くの人がこの事実を知り、許さない気持をもってほしいです。国は一日も早く責任をもって救済してほしいと感じています。

裁判を傍聴して
(支援の会 熊本大学法科大学院 古荘力也)

 熊本大学法科大学院2年の古荘と申します。学部(福大)時代に薬害肝炎訴訟を支援していたつながりで、今回初めて傍聴させていただきました。
 今回の期日は、原告側から原告2名、弁護士3名による意見陳述ということでしたが、冒頭に裁判長から、被告側に積極的な立証を要求する発言があり、今後の展開に期待が持てる印象を受けました。その後の意見陳述では、自らの被害を語り解決を訴える原告の言葉に胸を打たれるとともに、国の、責任を認めないばかりでなく、被害者をさらに傷つける主張を行う態度を知り、憤りを覚えました。国に対しては、責任を認めたうえで早急な被害救済と肝炎対策に尽力されることを強く望みます。
 ただ、一口に対策と言っても肝炎の類型によって性質や治療法などは様々です。医療講演会や原告の方からのお話を聞いて感じたことは、実情をきちんと把握したうえでそれに即した対策が必要であるということです。そして、支援者もまた実情を知りそれを伝えることが大切であり、私自身そうした支援ができればと思います。

裁判を傍聴して
(支援の会 薬害肝炎九州訴訟元原告 小林邦丘)

 新年度になり裁判長が替わると聞いていた期日。最高裁の判決が出ているとはいえ、国は争う姿勢を崩してないようです。
この日も二名の原告さんが意見陳述をし、実名を公表しました。
 国に対し正々堂々と『責任を取れ!侵した罪は償え!!』と詰め寄っているように見え,B肝訴訟の原告さんそれぞれが、早くに強い当事者意識を持ち、挑んでいて、原・弁・支がひとつになり闘っているのが裁判長に伝わったのか、この訴訟を一日も早く解決へ導こうとしている気概が感じられた。
 強い新しい風が吹きはじめたのでしょう!原・弁・支『生き・闘い・苦しみながら』それぞれの訴訟を闘い抜いてほしいと思った期日でした。